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2012年02月01日
「糖尿病の治療を受けていない」が3人に1人以上 2010年国民健康・栄養調査
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医療機関や健診で「糖尿病」といわれたことがあるが「治療を受けていない」という人が、男性30〜40歳代の59%、50〜60歳代の34%に上ることが、厚生労働省が2010年に実施した国民健康・栄養調査で分かった。過去から現在にかけて継続的に治療を受けている患者の割合は、男性59%、女性63%に上る。
60歳代男性の5人に1人以上が糖尿病
厚生労働省の「2010年国民健康・栄養調査」によると、HbA1cが6.1%以上、または、質問票で「現在糖尿病の治療を受けている」と答えた「糖尿病が強く疑われる者」の割合は、男性では40歳代8.0%、50歳代15.6%、60歳代22.1%、女性では40歳代3.6%、50歳代5.6%、60歳代13.5%に上った。いずれも2002年に比べ増加している。
50・60歳代の3人に1人以上が「糖尿病の治療を受けていない」
医療機関や健診で「糖尿病」といわれたことがある人の割合は、男性16.1%、女性8.8%で、2000年に比べて男女とも増加している。また、糖尿病といわれたことがある人のうち、過去から現在にかけて継続的に治療を受けている者の割合は、全体で男性59.4%、女性62.7%に上った。
「糖尿病の治療を受けていない」という人の割合は、男性では30〜40歳代の59.4%、50〜60歳代の34.0%、70歳以上の34.2%、女性では30〜40歳代の58.4%、50〜60歳代の40.2%、70歳以上の21.7%に上った。特に30〜40歳代では「これまで治療を受けたことがない」という人の割合が男性42.0%、女性54.2%に上り、半数の人が適正な治療を受けていない現状が浮き彫りになった。
野菜不足・運動不足 所得が低いほど生活習慣に問題
「2010年国民健康・栄養調査」では、世帯所得が低いほど、野菜の摂取量が少なかったり、運動習慣がなかったりするなど、生活習慣に問題がある人の割合が高くなる傾向があることも分かった。所得による「健康格差」の拡大は社会的な課題になっている。2013年度から始まる「次期健康づくり計画」では、健康格差の縮小が中心的な施策として打ち出されている。
調査では約3200世帯の所得を、「600万円以上」「200万〜600万円未満」「200万円未満」に3区分し、「体形」「食生活」「運動」などの項目で比較した。
喫煙者の割合は「600万円以上」の世帯が男性27.0%、女性6.4%、「200万〜600万円未満」は男性33.6%、女性8.8%、「200万円未満」は男性37.3%、女性11.7%と、所得が低いほど増加する傾向がみられた。
1日当たりの野菜の平均摂取量も、高所得層の男性が293g、女性は305gだったのに対し、中所得層は男性276g、女性278g、低所得層では男性256g、女性270gにとどまり、男女とも世帯所得が低いほど少なかった。
肥満(BMI=体格指数25以上)の人の割合は、男性は所得とは関連が認められなかったのに対し、女性は所得3区分ごとに13.2%、21.0%、25.6%と差が付いた。
成人の喫煙率は男性32.2%(前年比6ポイント減)、女性8.4%(同2.5ポイント減)で男女とも86年の調査開始以来、過去最低を記録した。下げ幅も少なくとも03年以降では最大で、たばこ税の増税に伴う10年10月の値上げが影響した可能性もある。
厚労省は、所得により生活習慣に差が生じることについて「所得により、健診や医療へのアクセスや、健康管理が難しくなるなど影響が出ている可能性がある」としている。
平成22年国民健康・栄養調査結果の概要(厚生労働省)
【国民健康・栄養調査】 関連トピック
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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