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2008年06月13日

日本糖尿病学会が「空腹時血糖値の正常域に関する新区分」を公表

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 日本糖尿病学会は、空腹時血糖値の正常域のうち、110mg/dLから100mg/dLを「正常高値」とする報告を公表した。

 改訂した場合のメリットとして次のことを挙げている
  • 日本人を対象とした研究の新しいデータによると、空腹時血糖値が従来の正常域である「110mg/dL未満」であっても、「100mg/dL以上」の場合は糖尿病への移行率が有意に高かった。
  • 従来の正常域である空腹時血糖値「100mg/dL以上109mg/dL未満」を対象に経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行うと25〜40%が境界型や糖尿病型に属する。
 したがって110mg/dLから100mg/dLを正常高値にすることで「これらを見逃す可能性を低下させることができる」というもの。

空腹時血糖値の区分
日本糖尿病学会 空腹時血糖値の区分
空腹時血糖値100〜109mg/dLは正常域ではあるが、正常高値とする。
 正常域における正常高値について、日本糖尿病学会は次のように説明している。
空腹時血糖値100〜109mg/dLの領域は、将来の糖尿病への移行やOGTT時の耐糖能障害の有無や程度からみて多様な集団である。従って、現時点では、空腹時血糖値が100〜109mg/dLの者を一律に境界域あるいは空腹時血糖値99mg/dL以下と同一の正常域として取り扱うべきではなく、正常域の中で正常高値とするのが適切である。
 正常高値の集団について、「OGTTを行うことにより、正常型、境界型あるいは糖尿病型のいずれに属するかを判定することが勧められる。OGTTが行われるまでは、正常高値として観察し、個々の症例の病態や経過に応じて、適切な生活習慣指導や肥満の是正などが行われるべきである」としている。

社団法人 日本糖尿病学会
糖尿病・糖代謝異常に関する診断基準検討委員会報告
―空腹時血糖値の正常域に関する新区分
2008年6月5日
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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