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2008年06月17日

2型糖尿病患者のADA推奨の血糖コントロール値 HbA1c7%未満を達成

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 サノフィ・アベンティスは、今年6月にサンフランシスコで開催された米国糖尿病学会(ADA)第68回年次学術集会で、同社のインスリン製剤による臨床試験2件の結果を発表した。

 ひとつは2型糖尿病患者を対象に行った臨床試験で、同社の持効型溶解インスリン製剤「ランタス」(一般名:インスリン グラルギン)で治療を開始した患者の66%が、米国糖尿病学会(ADA)が推奨する血糖コントロール目標値であるHbA1c7%未満を達成できたというもの。
日本における血糖コントロール指標は、HbA1c5.8%未満を「優」、5.8〜6.5%未満を「良」、6.5〜7.0%未満を「可(不十分)」、7.0〜8.0%未満を「可(不良)」としている。

 この臨床試験「TULIPスタディ」では、肥満指数(BMI)が24から35、HbA1cが7%から8%で、最高投与量のメトホルミンとスルホニル尿素による治療を2年間以上受けていた40歳から75歳の2型糖尿病患者を対象に、早期にインスリン治療を開始した場合のランタスの有用性が検討された。

 215例をランタス群(n=106)と生活習慣管理群(n=109)に割り付け、ランタス群は1日1回注射し、空腹時血糖値が70〜100mg/dLになるまで投与量を漸増した。生活習慣管理群では、食事と運動療法に関するカウンセリングを行い、BMIが27未満の患者には体重の維持を、27以上の患者には3kgの減量を勧めた。

 その結果、ランタス群では患者の66%がHbA1c7%未満を達成したのに対して、生活習慣管理群では38%にとどまりまった。インスリン治療でもっともよくみられる副作用である低血糖の患者1人あたり1年間の報告件数は、症候性低血糖 4.2±6.6件、夜間低血糖 0.7±2.1件、重度低血糖 0.04±0.35件で、低血糖の発生率が低いという結果になった。

 米国糖尿病学会(ADA)と欧州糖尿病学会(EASD)は、糖尿病治療に対する指針の一つとして、2型糖尿病治療に関するコンセンサスを発表している。このコンセンサスでは医療関係者と糖尿病患者に対し、経口薬と生活習慣管理だけではHbA1c7%未満を達成できない場合は、インスリン療法を開始するよう求めている。しかし現状は、HbA1cが9%に近づいてからでないとインスリン療法を開始しない例が多い。

 もう1件は同社の超速効型インスリン製剤「APIDRAR」(一般名:インスリン グルリジン)とリスプロによる治療を比較した臨床試験で、APIDRARの有効性は非劣性で、安全性も同等であることを確かめられたとしている。

 この試験は、強化インスリン療法を行っている1型糖尿病の小児の患者と4歳から17歳の青年の患者を対象に行った。対象となった患者は、基礎インスリンとして「ランタス」(一般名:インスリン グラルギン)を1日1回投与するか、中間型インスリン(NPH)を1日2回投与していた。

 エンドポイント時にADAの年齢別HbA1c目標値に達した患者数は、APIDRAR群が38.4%、がリスプロ群は32.0%だった。

 APIDRARは亜鉛を含まない独特の分子構造を持つ超速効型インスリンアナログ製剤。作用発現が早く、作用時間が短いので、食事開始前15分以内、または食直後(食事開始から20分以内)に投与することができる。日本では、現在申請中

 同社はAPIDRARとランタスを併用した強化インスリン療法が選択される一因として、インスリン注入器「ソロスター」の安全性や高い注入精度を強調している

 「ソロスター」は、ランタスとApidraを投与するための新しいディスポーザブル型のインスリンペン型注入器製剤。1回の注射で1単位ずつ段階的に増量しながら、最大80単位のインスリンを投与することができる。注入時に必要な力は他のペン型注入器に比べ30%以上軽減したという。

 同社は日本で現在、インスリンペン型注入器「オプチクリック」を販売しており、今年1月にランタス注ソロスターの承認を取得した。薬価収載後6月に発売する予定

このページの記事は、サノフィ・アベンティスが6月17日付、6月13日付で発表したプレスリリースを元にしています。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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