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2007年11月08日

食後血糖値の測定を指導されているインスリン治療患者は2割

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 医師から食後の血糖値測定を指導されている患者は、インスリン治療を受けている患者で2割にとどまることが、日本イーライリリーの調査であきらかになった。

 日本イーライリリーによる今回の調査は、糖尿病患者の食後血糖に対する認識、血糖コントロールに有効なインスリン治療に対する考え方などを調べたもの。今月の糖尿病月間を迎えるにあたり、同社が10月に30代以上の糖尿病の男女400名を対象にインターネットで行った。

 9月に開催された欧州糖尿病学会(EASD)で、国際糖尿病連合(IDF)は、新しい糖尿病治療ガイドラインを発表した。このガイドラインには、特に心疾患などの合併症リスクを低減するために、食後血糖コントロールが重要であることが盛り込まれた。

コラム:
IDFの新しい糖尿病治療ガイドラインで食後血糖が注目

 国際糖尿病連合(IDF)の新しい治療ガイドラインでは、空腹時血糖に加え、食後血糖が重要であることが示された。
 食後高血糖を改善するための治療戦略が必要とされ、目標となる食後血糖値を得るために、食事療法などに加え、薬物療法を行うことが有効とされた。食後2時間血糖値は、低血糖を避けながら140mg/dL未満にするのが目標と定められた。
 インスリン治療をはじめると医療費はそのぶん高くなる。しかし、糖尿病合併症が起きた場合の医療費が特に高いことを考えると、血糖コントロールを改善し合併症を予防することで医療費をはるかに安く抑えられる。

 今回の調査で、インスリン治療を行っている患者に、医師から血糖値をいつ測定するよう指示されているかを尋ねたところ、「食前」が72%と多数で、「食後」はわずか20%という結果になった。

 現状では食後血糖の重要性があまり認識されておらず、医師からの指導もまだ十分ではないことがうかがえる結果になった。

多くの患者がインスリン治療をはじめる前は不安を感じる
 日本イーライリリーの調査では、インスリン治療についての意識調査も行われた。

 インスリン治療を行っていない患者に、インスリン治療について尋ねたところ、「とても心配だ」が46%、「かなり心配だ」が29%と、7割以上の患者がインスリン治療に強い懸念を抱いていることがわかった。

 また、「主治医からインスリン治療を勧められたら、まずどうするか」という問いに対しては、58%の患者がすぐには開始しないと回答しており、インスリン治療への抵抗感も強いことが示された。

3割のインスリン治療患者が「もっと早く治療を始めればよかった」
 糖尿病の治療法としてインスリン療法は一般的で、多くの患者が実施している。また、患者への負担を軽減しようと、新しいインスリン製剤や注入器が開発されるなど、インスリン療法は年々進歩している。

 今回の調査で、すでにインスリン治療を行っている患者にインスリン治療について尋ねたところ、「将来の合併症予防に役立つ」「血糖コントロールがしやすくなる」がそれぞれ64%で、インスリン治療を行っていない患者と対照的な回答が得られた。

 また、インスリン治療を開始した時期については、29%が「もっと早くインスリン治療を開始すればよかった」と回答した。実際にインスリン治療をはじめた患者では、血糖コントロールの改善など治療効果を実感することで、インスリン治療に対して前向きの意識をもつ傾向があることが示された。

 過去に行われた調査の多くで、糖尿病合併症を予防するためにインスリン治療が必要であっても、適切な時期から遅れて開始した患者が多いことが示されている。

この記事は、日本イーライリリーが10月31日付で発表したプレスリリースを元にしています。

詳しくは日本イーライリリー(株)のサイトへ

Diabetes.co.jp(日本イーライリリーの患者さん向けサイト)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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