おいしく・健康になる「間食」ライフ

健康的にやせられる!間食指導のポイントヘルシースナッキング実践のコツ

血糖値の安定は、太りにくいからだを維持する上で不可欠。健康的な間食(ヘルシースナッキング)の効果は、「1日に食べる回数が多い人の方が、総摂取エネルギー量が少なく、肥満度も低い」という海外の研究*によっても実証されています。
ここからは間食指導に役立つ、ヘルシースナッキングの実践方法についてお伝えしましょう。

*1日の食事で1回の量を少なくし、食事回数を増やしたほうが、食事の質が向上し、BMIが低下する。

国際共同研究INTERMAP 研究(International Study of Macro/Micronutrients and Blood Pressure)では、米国と英国の成人男女2,696名(年齢40~49歳、解析対象2,385名、男性1,232名、女性1,153名)の参加者を対象に固形食の摂取回数(1日4回以下 vs.1日6回以上)を含む食事状況を記録し、食事の質やBMIとの関連が検討された。その結果、1日の食事では1回に摂る量を少なくし、食事回数を増やしたほうが、食事の質が向上し、BMIが低下する可能性が示された。このように食習慣を変えることで、肥満の増加を抑える一助となることが考えられる。
Ghadeer S. Aljuraiban, et al. The Impact of Eating Frequency and Time of Intake on Nutrient Quality and Body Mass Index: The INTERMAP Study, a Population-Based Study, J. Acad. Nutr. Diet. 115(4):528-36, 2015

1.間食は、栄養補給という発想を取り入れる

間食=お菓子ではなく、軽食と発想を変えましょう。足りない栄養素を補うチャンスと捉え、日本人に不足しがちな食物繊維、カルシウム、タンパク質など、今、その人に足りない栄養素を補うようにします。とくに、中年をすぎた方向けの間食指導は、戦略的に行う必要があります。栄養不足が、からだの不調や病気につながりやすいからです。

推奨おやつ

ゆで卵、ナッツ類(無塩がオススメ)、乳製品(無糖のヨーグルトやチーズなど)、魚肉ソーセージ、から揚げ、サラダチキン、フルーツ(甘い割に血糖値を上げにくい)、ドライフルーツ(オススメはイチジク)、乾物(あたりめ、チーズたら)、野菜スティック

2.血糖値を上げにくい食材をチョイス

血糖値を上げにくい食材は、脂質とタンパク質が多いもの。エネルギーが高いからといって、油や肉類などを避けないことが重要です。糖質の多い食べ物の前に、脂質やタンパク質を先にとると食後高血糖が緩和されるということはよく知られており、実際に私が行った実験でも同様の結果でした。

オイルを先にとると血糖値の上昇が抑制

食物繊維が豊富な食材もオススメで、比較的滞留時間が胃での長い、咀嚼が必要になる、腸での糖質の吸収を妨げるなどのメリットがあります。

菓子類でいうと、砂糖メインのお饅頭よりも、脂肪分が含まれた月餅の方が血糖値は上がりにくいです。食事の際にも、オイルを先にとると血糖値を上げにくくします。空腹時にお好み焼きをそのまま食べたら血糖値が急上昇しますが、マヨネーズをかけると血糖値の上昇が緩やかになります。

おやつのカロリー・糖質比マップ(100gあたり)

果糖は血糖値を上げにくい

糖質はどんなものでもバツかというとそうではありません。「果物は糖質が多いから避けましょう」という指導は、実は正しくありません。これまで私が行なった実験からも、果物は、菓子やおにぎりより血糖値が上がらないことがわかっています。また、食物繊維が多い種類の果物も血糖値を上げにくい。
つまり、食後血糖が上昇しにくいのは、果糖と食物繊維が多いもので、上昇しやすいのは、ぶどう糖・ショ糖が多く、食物繊維が少ないものになります。これらの糖類がどんな割合で食材に含まれているかで、血糖値の上昇カーブも変わってきます。

果糖と水溶性食物繊維の多い、少内のマトリックスを作ってみました。ピンク部分は、食後高血糖を気にせず1日に複数回食べても大丈夫そうです。血糖値が高い果物類は脂質と組み合わせ、1回あたり80kcalに抑えれば血糖値の急上昇を防げそうです。

参考資料:ブログ「足立香代子の栄養こぼれ話」より

果糖が血糖値に影響を及ぼす予測図

3.腹持ちがいいものを選ぶ

「ゆっくり噛んで食べましょう」「早食いは肥満のもとです。避けましょう」という指導は間違ってはいませんが、お腹がペコペコなときに、それをきちんと守るのは至難の技。自ら実験したことがあるのですが、おにぎり1個を1分もかからずに平らげてしまいました。どんなにゆっくりと言われても5分もかけられないことがわかりました。

一方、間食でお腹を満たされていれば、食事のときには、冷静さが保てます。そのためにも、間食は、腹持ちのいいものを選びます。ルールは2と同様。糖質が含まれていても、タンパク質や脂質が含まれていればOKです。

4.食事後3〜4時間の小腹が空いたときに取り入れる

炭水化物(糖質)は胃での消化が早く、1〜2時間でお腹が空いてしまいます。消化に時間がかかるタンパク質で2-3時間、脂質でも4時間程度です。ですから、食後3〜4時間経ったら何か食べておくというサイクルがよいでしょう。

5.1日の間食は200kcal以内を目安に

間食をとりましょうといっても、やはり適量でなければなりません。際限なくとってしまっては、せっかくのいい効果が失われてしまいます。目安としては、物足りなくないけれど食べすぎない、食事のバランスを崩さない程度の1日200kcalぐらいにとどめるのがよいでしょう。
ポテトチップなど塩気の強いものは、食べたら止まらなくなることがあります。袋を開封したら最後、すべて食べきってしまうような間食の仕方はダメですね。そのためにも、間食は小分けパックにして常備しておくと、食べすぎを防ぐことができます。
どうしても甘いものが食べたくなったら、食後のデザートとして適量を時々楽しむ程度ならよいでしょう。

適正なエネルギーかどうかは適正体重かどうかで判断する

最後に、じゃあエネルギーだけでなくて何で見ればいいの?という疑問にお答えしましょう。これからの栄養指導では、適正体重を維持できているかどうかで判断すべき、と私は考えています。人にはそれぞれ個体差、年齢差があり、代謝量や日々の活動量も変わってきます。ですから、その人のエネルギー量が適正かどうかは、適正体重であるかどうかで判断した方がいいのです。

目標のBMIは年代により異なり、18~49歳で18.5~24.9kg/m²、50~69歳で20.0~24.9kg/m²、70歳以上で21.5~24.9kg/m²。高齢になるほど、フレイル予防のために痩せないことです。この範囲内で、本人が「調子がいい」と思える体重、活動的に過ごせる体重が健康な状態です。どれだけエネルギーをとっていようと、適正体重だったら問題ないと考えてよいでしょう。

取材・文/及川夕子

空腹時のコバラ対策に!お腹にとどまる驚きの新技術

過剰な食欲や食べすぎは、ダイエットの天敵。今日は軽めの食事にしようと決めても、空腹を感じた途端、食欲が抑えられなくなりドカ食いしてしまう、ついお菓子に手が伸びてしまうという人は多いのではないだろうか。

そんな悩みに応えようと開発されたのが、大正製薬の「コバラサポート」。食物繊維ペクチンが含まれており、空腹時に飲むだけで、お腹の中で炭酸の泡を含んだゼリーに変化してふくらむ。このふくらむメカニズムで、空腹感を抑えることができ、食べすぎ防止をサポートする。エネルギー、糖類、糖質が低いのも魅力だ。

「コバラサポート」シリーズは、ドリンクタイプなので、シーンを選ばず、気軽に取り入れられる。空腹感を感じているときはもちろん、ついつい食べすぎてしまいそうな飲み会の前など、様々なシーンで活躍してくれる。間食に用いたり、次の食事までどうしても我慢できない方にぜひ取り入れてみてもらいたい。オススメの飲み方は、空腹時に冷やして飲むこと。そうすることで、よりふくらみやすくなる。

食べないダイエットは、かえって過食やリバウンドのもとになりやすい。「コバラサポート」を活用すれば、無理のない体重管理が実現できそうだ。大正製薬が開発した、空腹時におなかの中でふくらんで空腹感を抑えてくれるコバラサポートシリーズを、食事指導にもぜひ活かしてほしい。

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