糖尿病Q&A1000

Q.660 テレビで「子どもを牛乳で育てると糖尿病になりやすくなる」といっていました。やはり飲ませないほうがよいでしょうか?

 生後間もない乳児を母乳ではなく牛乳や人工栄養で育てた場合に1型糖尿病を発病する確率が1.5倍ぐらい高くなる、という研究結果があるのは事実です。しかしそれは、日本に比べて格段に1型糖尿病の発症率が高い海外での研究で、日本人におけるデータは今のところありません。
 糖尿病になりやすくなるか否かの結論を別にしても、生まれたばかりの子どもを母乳で育てたほうがよいのは確かです。しかし、なにかの理由でそれができない場合や幼少期になってからも牛乳を飲まない(与えない)というのは、1型糖尿病の発症率が極めて低いこと(とくに日本人では)、牛乳によってどの程度1型糖尿病になりやすくなるのか不確かな面があること、牛乳が栄養価がとくに高い食品で子どもの発育に重要なことなどを考えると、ややバランスを欠いた考え方ではないかと思います。
2006年05月12日

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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09-1 小児1型糖尿病のQ&A

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