いま、1型糖尿病は
2009年02月06日
ざっくりと「見計らい」する
実は我々はいつも「見計らい」しています。デパートやお店にいったら、今だったらセールでいくら位かな、いくらなら買おうかなと「見計らい」しています。
学校でも、会社でも、今日は何があるんだっけ、今日はお得意さん廻りだとか、今日1日の段取りを考えて、毎朝、通学、通勤するはずです。 体調についても「見計らい」しています
朝起きたときに、熱があるのでは?とか、のどが痛い!などはもちろんのこと、肩の調子はどうだとか、腰の調子はどうだとか、頭痛はしていないかとか、かならず、自分の体調をチェックしているでしょう。
もし、熱があったら今日の段取りはどこを手抜きしようかとか、腰が重いのでお得意さんまわりは少し減らそうかとか、段取りを変更しますね。そして、そのような変更が無理そうならだれか助っ人を頼んだりするかもしれません。明日に延期するかもしれません。
というように、半日や、全日の「見計らい」をしています。 同じ「見計らい」を血糖値に対しても
血糖値を測定したと仮定してみましょう。測定したなら、血糖値を得たなら、その値に“すぐ”反応してインスリン注射を追加するとか、食前ならインスリン注射量をいくつにしようかと考えるのではなくて、「これからの段取りはどうなっていたっけ、ならばインスリン注射量はいくつにしようか」というように、考えてみましょう。
たとえば食前、「これから××単位注射したら、次の食事前まで低血糖にもならずに、ひどい高い血糖値にもならないかな、いや今日の午後は外出してよく歩くから低くなるかな」というように、「見計らい」をしてみましょう。つまり、これから食べるものによる血糖上昇曲線を、ざっくりと考えてみる、ということです。 次から修正していきます
最初は、「見計らい」が間違うことと思います。それでいいのです。間違うほどいいのです。間違うと「次には2単位増やしてみようか」とか、「1単位減らしておいたらいいかも」という次のアイデアがでてきます。
そうやって、試行錯誤して、だんだん経験を積んでいきます。これが全部自分の財産になります。失敗する人ほど、多くの財産をもっているのですね。そして、生活パターンが急に変更になっても、びっくりせずに、こうやればいいのだ、というアイデアが自然に浮かんできます。
シックデイのときに、「どうすれば良かったかな」と考えるのではなく、多くの財産があるから、シックデイに臨機応変に対応ができるのですね。シックデイの対応を学んでいても、そのときになるとパニックになって、わからなくなったという方が多いのですね。
シックデイの対応は平生の試行錯誤をしていれば、おのずとわかってきます。
つまり、いつもこのような「見計らい」の考えをしていますと、シックデイは特別な日のことではなく、いつもと違うパターンの日のことと受け取ることができ、パニックにもなりません。 シックデイルールよりも普通でない日の対応を!
「シックデイルールはシックデイの日だけのことだ」と考えて、特別の日のことと思って、頭のなかで避けていることはないですか。熱がでるなど、年に1回くらいしかないのですから、シックデイルールを覚えていることは実は困難なことなのですね。本質だけを知っていればできることなのですが、どこかに書いたような・・・
普通でないことが起こったときの対応、これのほうが、頻度が高いのです。自分の生活のなかでよく起こる、普通でないことことがあれば、ぜひ先生に、どうすればいいのか、自分はこれまでこのように対応しているがこれでいいのかを聞いてみてください。
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