男性が5項目のライフスタイルを実践していると、心筋梗塞などの心臓病の80%以上を予防できることが、スウェーデンの研究で明らかになった。
心筋梗塞のリスクが最大で86%減少
「年齢が上がると、心筋梗塞や狭心症などの心臓病を発症するリスクは上昇します。これらの病気に対する医療の質は年々高まっていますが、もっとも身体的な負担が少なく、医療費の削減にもつながるのは、健康的なライフスタイルを実行し、予防することです」と、カロリンスカ医科大学環境医療研究所のアグネータ オーケソン氏は言う。
5項目のライフスタイルとは次の通り――
(1)健康的な食事をする
野菜、果物、全粒粉、魚類、豆類、ナッツ類、低脂肪の乳製品などを毎日食べる。全体のカロリーを摂り過ぎないようにする。
(2)運動を毎日行う
ウォーキングなどの中強度の運動を1日に40分以上行い、週に1時間以上は筋力トレーニングを取り入れた運動を行う。
(3)アルコール摂取量を管理する
適度なアルコールの摂取を心がけ、飲み過ぎないようにする。
(4)腹囲(へそ周り)のサイズを管理する
腹囲周囲径をはかり、内臓脂肪が増えないように管理する。
(5)たばこを吸わない
喫煙習慣のある人はすぐに禁煙を。治療を受ければ、禁煙は難しくない。
研究チームは、45〜79歳のスウェーデン人男性2万721人を対象に、食事、運動、アルコール摂取、内臓脂肪、喫煙などのライフスタイルについてアンケート調査を行った。
11年間の追跡期間中に、1,361人が心筋梗塞を発症した。実行している項目が増えるほど心筋梗塞のリスクは減少した。食事と飲酒に関する項目のみを実行している場合は35%減少した。
さらに、5項目のライフスタイルの全てを実行している男性では、ひとつも実行していない男性に比べ、心筋梗塞を発症するリスクが86%も減少することが明らかになった。
「ライフスタイルを改善することで心臓病を予防できることが確かめられましたが、これは驚くべきことではありません」と、オーケソン氏は言う。「驚くべきことは、ひとつでも健康的なライフスタイルを増やせば、心臓病のリスクを劇的に減らせると分かったことです」。
ただし、5項目の全てを実行している男性は1%しかいなかったという。「自分の生活を見直し、不健康な要因をひとつでも多く見つけだし、健康的なスタイルに変えていくことが大切です。できることから、今すぐ始めるべきです」と、オーケソン氏は強調している。
[ Terahata ]