はじめに
運動療法は、食事療法と並んで、糖尿病治療の基本となるものですが、食事療法ほどには十分に指導が行われていないのが現状のようです。平成20年に日本糖尿病学会が日本医師会と共同で行った全国調査では、糖尿病専門医と一般内科医において、初診の糖尿病患者さんに対し、食事療法の指導は90%以上行われているが、運動療法については、50%未満の実施率だということがわかりました。※1 また、運動を指導する上での問題点として、 ①指導時間がない ②診療報酬に反映されない ③適切な指導者がいない ④糖尿病運動療法指導のガイドラインがない
⑤指導しても患者さんが実施しない⑥施設や設備がない などが挙げられました。 この連載では、糖尿病患者さんを指導する側にある医師や医療スタッフが、糖尿病の運動療法について正しい知識を持ち、効果的に指導するために役立つ情報をまとめ、紹介することにいたします。 ※1 日本糖尿病学会「糖尿病運動療法・運動処方確立のための調査研究委員会」の調査成績より |
名古屋大学名誉教授
愛知学院大学心身科学部健康科学科 教授 ●昭和45年 名古屋大学大学院医学研究科 (内科学第三専攻)修了 医学博士 ●昭和45年 名古屋大学医学部第三内科助手 ●昭和56年 名古屋大学総合保健体育科学センター 助教授 ●昭和62年 名古屋大学総合保健体育科学センター 教授 ●平成3年 名古屋大学大学院医学研究科担当 (併任) ●平成16年 名古屋大学名誉教授/愛知学院大学 心身科学部教授 ●平成19年 愛知学院大学心身科学部長 (平成23年3月まで) 日本糖尿病学会「糖尿病運動療法・運動処方確立のための調査研究委員会」委員長(平成19-23年度) 主な研究領域:内科、糖尿病学(ことに運動療法について)、スポーツ医学、高齢者の運動療法等 |
2012年05月
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