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2026年05月19日

連続血糖測定、2型糖尿病患者の血糖管理改善に有効

 2型糖尿病患者が連続血糖測定(CGM)を利用することで、従来の指先からの血糖自己測定(SMBG)を続けるよりも、血糖コントロールが良好になることを示唆する研究結果が「The Lancet Diabetes & Endocrinology」に4月23日掲載された。血糖コントロールの指標であるHbA1cが、CGM利用によって顕著に改善したという。論文の筆頭著者である英ノッティンガム大学のEmma G. Wilmot氏は、「糖尿病のコントロールは大変困難なものだが、この研究中に私自身がサポートした患者は、CGMの使用によって『糖尿病管理に関する新たな知見が得られた』と語り、『人生が変わった』と表現する人も少なくなかった」と話している。

 糖尿病では血糖値を適切にコントロールすることが非常に重要だ。失明や足の切断、心臓病などの長期的な合併症に加えて早期死亡のリスクを抑制するために、血糖値を下げる必要があり、なおかつ、低血糖の発作を避けるために、適切な範囲に維持する必要がある。

 これまで、2型糖尿病患者の血糖値のモニタリングには一般的に、指先穿刺によるSMBGが用いられてきており、その測定結果を基にインスリンの注射量を加減している。それに対してCGMは、上腕などにセンサーを留置して、血糖値を連続的に測定するシステムだ。測定結果はウェアラブルデバイスまたはスマートフォンに送信され、患者は血糖値の変化をリアルタイムで把握でき、また危険な変動が生じた場合にはアラームを発するような設定も可能である。ただし、研究者らが論文中の研究背景で述べているように、CGMは1型糖尿病患者では標準治療の一部として用いられているが、2型糖尿病患者にはまだ広く普及していない。

 この研究は、基礎インスリン(食事の影響を受けず、1日を通してほぼ一定量分泌されるインスリン)を補うためのインスリン注射療法を行っている、300人以上の2型糖尿病患者を対象に行われた。参加者をCGM群とSMBG群に無作為に分け、最初の16週間は自己管理を行い、さらにその後の16週間は医師のサポートを受け、必要に応じて治療が強化された。その結果、16週目と32週目のいずれにおいても、CGM群のHbA1cの方が低く抑えられていた。

 論文の上席著者である英インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)のLalantha Leelarathna氏は、「この研究の第1段階においてCGM群の患者は、新たな薬剤を追加することなく血糖値の有意な改善が見られた。これは、患者がCGMで得られた情報を活用して、血糖コントロールに役立つ行動変容を起こせたことを示している。そして新たな治療介入を追加した第2段階では、CGM群では血糖コントロールのさらなる改善が見られた」と総括している。

 英国糖尿病協会のLucy Chambers氏は、「この研究結果は、CGMの適用範囲を一部の2型糖尿病患者に拡大することの根拠を強化するものだ」と、本研究を高く評価している。ただし同氏は、「適用範囲拡大には費用対効果の面からの検討も必要とされる」とも付け加えている。

 なお、国内における2型糖尿病患者に対するCGMへの保険適用は、原則的にインスリン療法(1日1回以上の自己注射)を行っている場合に限定されている。

(HealthDay News 2026年4月27日)

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