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2021年09月13日

62歳で脳卒中を発症 脳卒中を早期発見するためのチェックリストとは

脳卒中の予後改善に「F.A.S.T.」認知向上を――AHAニュース
 米国フロリダ州に住むMike Madduxさんが継父から電話を受けたのは、2007年1月30日の夜のことだ。「妻(Mikeさんの母親)が、バスルームのドアをロックしたまま出てこないので、助けに来てほしい」ということだった。1時間もせずに到着したが、彼の母親はまだバスルームのドアを開けようとしなかった。仕方なく救急隊を呼び、ドアを開けるようにさらに呼び掛け続けた。

 実は、69歳になるMikeさんの母親はその時、脳卒中を起こしていたのだった。病院に搬送された時点では既に、後遺症を抑えるための積極的な治療を施行できる時間は過ぎていた。彼女は身体の麻痺という後遺症に悩み、さらに、感情の起伏が激しくなるという精神的な後遺症のために、家族に対して激怒することもあった。そして7年後に亡くなった。

 Mikeさんの母親は生前、肥満していて足の具合が悪く、あまり運動をしていなかった。それに対してMikeさんは長年、活発な身体活動を続けていた。そのため、ファストフードを含め、好きなものを食べても平気だと思っていた。医師からは、彼のBMIが肥満の判定基準のボーダーライン上にあり、かつ高血圧であると告げられていたにもかかわらず、彼は自分の筋肉質の体格であれば問題ないと考えていた。

 今年1月30日、Mikeさん夫妻は午前中の用事を片付けた後、キッチンで過ごしていた。妻のCindy Madduxさんが昼食の準備に取り掛かり冷蔵庫に手を伸ばした時、彼女は夫がカウンターに寄りかかっているのを見た。夫の顔はゆがんでいて、苦しそうに見えた。「どうしたの?」と聞くと、Mikeさんは彼女には判別できない言葉をつぶやいた。

 Cindyさんは、すぐに息子に人の助けを呼ぶように指示し、自分はMikeさんのそばから離れなかった。義理の息子であるBrad Schnellerさんが駆けつけた。Mikeさんは身体の左側が麻痺して歩くことができず、Schnellerさんに担がれるようにして椅子に腰かけさせられた。数分で救急隊員が到着した。彼の母親が脳卒中を起こしてから、14年が経過していた。

 Mikeさんは血栓による広範囲の脳梗塞を起こしていた。しかし、その後の経過は母親と異なるものだった。自宅近くの病院で血栓溶解剤が投与された後、ヘリコプターでさらに高度医療を行える病院に搬送された。その病院では、機械的血栓回収療法が施行された。

 妻のCindyさんがヘリコプターを追い、車で90分かけて病院に到着した時には、既に血栓は除去されていた。彼女が病室に入ると、62歳の夫は普通に会話をし、腕や足を動かしていた。Mikeさんは理学療法や言語療法を必要とせずに、完全に回復した。

 自宅に戻った後、妹から、自分に脳卒中が起きた日と母親のその日が同じだと言われた。確かに、いずれも1月30日だった。「母親が私に何かを伝えようとしているのだと感じた。きっと、『あなたは自分の人生を変えなさい!』と母親は言おうとしたのではないか」と彼は言う。

 それからMikeさんは地中海式の食事療法を実践し、3カ月で体重を35ポンド(約16kg)落として190ポンド(約86kg)にし、理想的なBMIに近づけた。こまめに歩き、運動量も増やした。「脳卒中は、自分を目覚めさせる良い機会だった。それまでの自分は、自分で考えているほど健康ではなかったことに気付かされた」とMikeさんは話している。

 今、Mikeさんは、「F.A.S.T.」の認知度を上げたいと願っている。F.A.S.T.とは、脳卒中発症時の症状である顔の麻痺(Face)、腕の麻痺(Arm)、発語の障害(Speech)が現れたら、時(Time)を移さず速やか(Fast)に救急要請することの重要性を呼び掛ける標語だ。「F.A.S.T.は私の命を救っただけでなく、後遺症が残った場合には避けられなかっただろう私の家族の負担の発生も防いでくれた」と、Mikeさんは自身の幸運を振り返る。

[American Heart Association News 2021年8月26日]

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[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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