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2016年02月12日
採血なしで血糖測定が可能に 唇に遠赤外線をあて血糖自己測定
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- 血糖自己測定(SMBG)
遠赤外線を使い装置を体にあてるだけで血糖測定ができる方法を、東北大学大学院医工学研究科の研究グループを開発した。近い将来に指などを穿刺しなくとも血糖値を測定できるようになる可能性がある。
苦痛のない血糖自己測定を実現
東北大学大学院医工学研究科の松浦祐司教授の研究グループが、遠赤外線を用いて無侵襲で血糖値測定を行う手法の開発に成功した。この手法を用いれば、人体に無害な遠赤外線を照射するだけで、採血なしでの血糖値測定が可能になる。
インスリン療法を行っている患者の多くが血糖自己測定を行っている。血糖測定器や穿刺器は改良が加えられ、より少ない血液量で測定でき、穿刺針もより細くなり、痛みは軽減されている。しかし、自身で指などを穿刺する測定を苦痛に感じている患者は少なくない。
その負担を軽減するために、松浦教授らの研究グループは、遠赤外線を人体に照射した際に一部が血液中のグルコースに吸収される現象を利用した測定方法を開発した。
従来の近赤外線を使用した方法では、皮膚のごく表面ですべて吸収されてしまうため、正確な血糖測定は難しかった。そこで研究グループは、遠赤外線を照射するためのプリズムを柔軟な中空光ファイバーの先端に取り付けた新しい装置を開発。
波長10ミクロン付近の遠赤外線はグルコースに非常に強く吸収されるため、高精度のグルコース測定が可能となる。皮膚のような厚い角質がない、唇の内側の粘膜にプリズムを触れさせて遠赤外線をあてることで、血糖値を正確に測定することに成功した。
中空光ファイバーとは、直径1ミリ以下のガラスやプラスチックのチューブの内側に、金属や樹脂の薄膜を形成したもので、光はチューブの内面で反射を繰り返しながら、内部の空洞部分を伝搬する。
新しい方法で開発した測定器の誤差は実測定値の20%以内で、臨床で十分に利用できる精度だという。遠赤外線レーザーを光源として用いれば、小型化・低コスト化も可能だ。研究グループは、病院のベッドサイドでの血糖値モニタリング装置や、小型・低価格なヘルスケア機器などの開発を目指している。
東北大学大学院医工学研究科 医用光工学分野 松浦研究室
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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