糖尿病患者では非糖尿病患者に比べ、冠動脈バイパス手術(CABG)の長期成績が不良で、関連してかかる医療費も高額になることが、中国、Fuwai病院のHeng Zhang氏らによる単施設での検討から明らかになった。
「Annals of Thoracic Surgery」6月号に掲載された論文によると、Zhang氏らは1999年〜2008年にFuwai病院でCABGを行った9,200例以上について分析した。
その結果、糖尿病合併患者では、非合併患者よりCABG後2年の成績が悪く、関連してかかった医療コストも高額となっていた。コストがかさんだ理由は、主に再入院、追加された医療処置、インスリンやその他薬剤の使用によるものだった。
この結果についてZhang氏は、「糖尿病患者にCABGを行う場合は個別の治療計画とハートチームによるアプローチが強く推奨される」というメッセージが示唆されると解説。さらに、「この結果と他国での同様の検討結果を国際比較すれば、高リスク患者へのケアについてさらに理解を深められるだろう」と同誌ニュースリリースで述べている。
中国で行われた今回の検討結果は、世界的な糖尿病有病率の上昇について医療関係者の懸念を募らせるものともいえる。世界の糖尿病人口は増え続けており、2030年までに4億3,900万人になると推計されているからだ。
「中国では成人人口の11.6%にあたるおよそ1億1,400万人が糖尿病を発症している。成人糖尿病有病率11.3%、推定成人患者数2,560万人の米国と、中国は同等といえるだろう」とZhang氏。
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[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所