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2012年04月21日

女性の多くは運動不足 高まるメタボの危険性

キーワード
運動療法
 「女性は1日の運動時間が男性よりも少ないために、肥満やメタボリックシンドロームの危険性が高まっている」という研究が発表された。
女性は運動に対して消極的?
 肥満やメタボは、冠状動脈性心疾患や脳卒中、2型糖尿病の危険性を高めることが知られている。この研究は、運動・身体活動を社会心理学の面から研究しているオレゴン州立大学のPaul Loprinzi氏らによるもの。

 研究者はまず、身体活動や運動と抑うつ、メタボと性差の相関関係に焦点をあてて調査した。1,146人以上の米国男女を対象に調査したところ、中等度以上の適度な運動を行っている時間は、男性は1日約30分だったが、女性は約18分間だった。

 対象者に活動量計を毎日持ち歩いてもらい、運動量をはかってもらった。女性の3人に1人以上はメタボが、5人に1人は、抑うつ症状がみられた。「運動を習慣として行っている人ほど、健診の結果が良好で抑うつも減少することがあきらかになった。この傾向は女性でより顕著だった」とLoprinzi氏は説明する。

 「女性は男性に比べ喫煙率が低いなど、健康的な習慣をもつ人が比較的多かったが、運動量は少なかった。1日に30分以上の運動を行うと、抑うつや高コレステロール、メタボを抑えるのに効果的だ」としている。

 抑うつの傾向がある人では、腹部脂肪の蓄積やインスリン抵抗性などの危険性が高くなっていた。どちらもメタボリックシンドロームの危険因子となる。しかし、運動習慣のある人では抑うつが減少していた。「運動には相乗的なメタボ予防の効果がある。1日30分の運動で得られる効果は大きい」とLoprinzi氏は強調する。

 なぜ女性は男性よりも運動時間が少ないのか。研究者らは「運動や身体活動に関する生活習慣は、5〜6歳の幼年期につくられている可能性がある」と指摘する。両親が女の子に対し、静かに過ごすことを求め、野外での遊び時間を制限している可能性があるという。幼年期に身についた生活習慣は成人してからも続く。女性は育児に忙しく、時間をとられてしまうのも一因となる。

 「時間に追われる忙しい女性でも、運動量を増やすことは可能だ。エレベータやエスカレーターを使う代わりに階段を使う、電話中に静座していないで、立ち上がって足踏み運動をするなど、日常で運動をする時間を少しずつでも増やす工夫を積み重ねることで、長期的には大きな差が出てくる」とLoprinzi氏は述べている。

Study: Women lack exercise; at risk of developing metabolic syndrome(オレゴン州立大学 2012年4月10日)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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