ニュース
2012年04月21日
体重コントロールに成功 減量ダイエットと運動がもっとも効果的
- キーワード
- 糖尿病と肥満

「米国人の3分の1以上は肥満で、食べすぎや運動不足が原因となり肥満は増えている。一方で、体重を減らしたいと考えている人は多く、50〜70%は減量を望んでいる。もっとも確実に減量する方法は、食事で脂肪をとりすぎないようにして、よく運動することだ」とNicklas氏は強調する
研究者らは、米国疾病管理予防センター(CDC)が行った米国健康・栄養調査(NHANES)の2001〜2006年の4,021人の肥満者のデータを解析した。データには体格指数(BMI)が30以上の肥満のある成人の12ヵ月以上にわたる聞き取り調査も含まれている。
2,523人が減量を試みており、うち40%は体重の5%以上、20%は体重の10%以上の減量に成功したと回答した。「減量に成功した人の秘訣は、食事で脂肪をとりすぎないようにし、よく運動したことだった」と研究者らは話す。
減量に成功した割合は、医療機関の減量プログラムに参加した人が多く、生活習慣の改善が効果的であることが示された。減量プログラムには、▽摂取エネルギーの管理、▽カーボカウント、▽食品プレートによる食事療法、▽野菜や果物の摂取、▽間食の管理、▽多種類の運動を取り入れた1日30分以上のエクササイズなど、栄養士などによる対面や電子メールによる指導が含まれる。
「減量効果をうたった健康食品の利用は、多くは役に立たないこともあきらかになった」とベスイスラエル医療センターのChristina Wee氏(総合医療・プライマリケア)は話す。調査では、10人に1人以上が肥満対策として健康食品などを利用していたが、実際に減量に成功した割合は利用していない人より低かった。
減量に成功するための方法は、実際には取り組みやすく、費用もかからないという。「高価な商品がたくさん売られている。宣伝されている民間のダイエット法やサプリメント、健康食品などには、体重減少に結びつかないだけでなく、健康被害をもたらすものもある。健康食品を利用する前に、医師や栄養士に相談してほしい」としている。
発表されたのは長期介入試験によるものではなく、個々の患者が減量を維持することを妨げる障害について、さらなる研究で見極める必要があると、研究者らは指摘している。この研究は医学誌「American Journal of Preventive Medicine」に4月10日付で発表された。
More Exercise, Eating Less Fat and Weight Loss Programs Are In, Popular Diets Are Out(ハーバード大学 2012年4月10日)
Successful Weight Loss Among Obese U.S. Adults
糖尿病と肥満の関連記事
- 運動と健康的な食事の組み合わせで効果は最大に 内臓脂肪が減り転倒も防止 女性にも運動が必要
- テレビの視聴時間を減らすと糖尿病リスクは減少 遺伝的リスクのある人も心臓病や脳卒中を予防できる
- 朝食をしっかりとると糖尿病が改善 血糖管理に大きく影響 朝食で「お腹ポッコリ」肥満を予防
- 「超加工食品」の食べすぎは糖尿病リスクを高める 筋肉の質も低下 「自然な食品」はリスクを減らす
- ウォーキングなどの運動で糖尿病リスクを減少 余暇時間の運動が寿命を4.5年延ばす 仕事の後は体を動かす習慣を
- 【世界肥満デー】内臓脂肪が増えると糖尿病リスクは上昇 肥満は脳のインスリンの働きを低下 認知症リスクが増加
- 糖尿病の人はビタミンやミネラルが不足 「食の多様性」が糖尿病リスクを下げる 食事バランスを改善
- 糖尿病の人は脂肪肝にご注意 ストレスはリスクを高める 緑茶を飲むと脂肪肝が減少
- 「玄米」で糖尿病を改善 食事では「低GI食品」を活用 血糖値を上げにくい新しい米を開発
- ヨーヨーダイエットが1型糖尿病の人の腎臓病リスクを上昇 体重の増減を繰り返すのは良くない