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2012年02月27日
ケニアの糖尿病事情 アフリカでも糖尿病が急増
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アフリカでも糖尿病は増加しており、特に1型糖尿病患者は困難を強いられている。ケニアより国際糖尿病支援基金の森田繰織会長が報告する。
ケニアで実施された糖尿病キャンプ
ケニアの医療機関に配布されている低血糖を解説したポスター
ダイアベティーズ・ケニアの集会
前列左から3人目が森田繰織会長
ケニア国立病院
左端は糖尿病専門医のアティエノ・ジャランゴ先生
ケニアで1型糖尿病が喫緊の課題に
国際調査によると、アフリカ地域の2011年の成人の糖尿病有病率は3.8%、有病数は1470万人だったと推測されている。アフリカには急速な都市化に伴い、糖尿病有病率が先進国並みに上昇している地域もある。セーシェル(12.4%)、ボツワナ(11.1%)、ガボン(10.6%)などで10%を超えている。一方で、「糖尿病の診断と治療が適切に行われている患者は先進国に比べ極端に少ない」と森田さんは指摘する。
ケニアの糖尿病有病数は76万9000人で、ナイジェリア(300万)、南アフリカ(190万)、エチオピア(140万)に次いで糖尿病人口が多い。「ケニアでは、特に1型糖尿病をもつ子供のほとんどは、適正に診断をされていません。1型糖尿病と診断されたとしても、一部の都市部を除くと医療機関は整備されておらず、インスリンや注入器、血糖測定器は不足しています」と森田さんは説明する。
1型糖尿病の子供の多くは、適切な治療をされないまま、若年のまま亡くなっているとみられる。アフリカの1型糖尿病の有病率は世界の他の地域に比べ低いと報告されているが、皮肉なことに早期の死亡や1型糖尿病と診断されないことが、そうした結果を招いている。
森田さんはナイロビ国立病院を訪れ、1型糖尿病医療の現状を調査した。ナイロビはサハラ以南のアフリカでは、もっとも経済的に恵まれている都市だ。「患者数の多いケニアで最大規模の総合病院ですら、糖尿病に関する適正な知識や技術をもっているのは糖尿病や内分泌、小児科医の専門医や専門看護師に限られます。実際にケニアの医師や患者さんに話を聞いてみると、1型糖尿病と適切に診断される機会に恵まれなかったり、間違った療養指導をされているケースが多く目に付きます。一方で糖尿病患者さんは爆発的に増えています。ケニアでは早急の対策が必要とされています」と森田さんは話す。
「糖尿病の医療体制を改善しようと最近、ケニア糖尿病協会(Diabetes Kenya Association)が設立されました。医療スタッフと糖尿病患者さんの双方に、糖尿病についての適正な知識を普及する啓発活動が始められています。日本の国際糖尿病支援基金でも、現地の1型糖尿病患者さんを安定的に支援するプロジェクトをケニアでも展開したい考えており、現在準備中です」としている。
世界糖尿病財団(WDF)はケニア厚生省に協力し、糖尿病の医師や看護師、薬剤師などの医療スタッフをトレーニングするプロジェクトに乗り出した。ケニアの1型糖尿病患者を支援する活動も展開している。ケニア糖尿病管理・情報センター(Kenya Diabetes Management and Information Centre)によると、イーライリリー社の協力を得て、27人の1型糖尿病患者が無料でインスリン治療を受けられるよう支援している。また、WDFの国際プロジェクトでは、90人の1型糖尿病の子供が無償でインスリンや注入器、血糖測定器の提供を受けている。小児・若年の1型糖尿病患者を対象としたの3日間に及ぶ糖尿病キャンプも実施した。
「国際糖尿病支援基金」は、経済的に恵まれない途上国の糖尿病患者さんにインスリンや糖尿病療養に必要な資材を提供しているInsulin For Life(オーストラリア)や、インドで1型糖尿病の子供たちをサポートしているDream Trust、エクアドルの1型糖尿病患者向けサマーキャンプなど、途上国の糖尿病患者のために活動する団体を支援するとともに、糖尿病患者を資金面・ボランティアなどで援助しています。 また、途上国をはじめとした世界の糖尿病事情を、日本の糖尿病患者、糖尿病医療スタッフ、その他この問題に関心をもつ人に広く紹介しています。 国際糖尿病支援基金ホームページをぜひご覧ください。 |
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[ Terahata ]
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