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2011年11月04日

糖尿病の治療を放置しない働き盛り世代 患者のためのパンフレット

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 厚生労働省は、糖尿病の治療を放置した人や、治療を継続した患者の体験談を通じて、糖尿病の治療に対する理解を促すパンフレットを作成した。

 パンフレットは「患者が患者のために」という新たな視点で作成されたもので、編集委員には津村和大・川崎市立川崎病院医長、渥美義仁・東京都済生会中央病院糖尿病センター長のほか、2名の1型糖尿病患者と3名の2型糖尿病患者が名を連ねている。

 治療の失敗例や成功例として、病歴の長い患者10名の体験談を収載し、糖尿病の治療を続ける大切さを訴えている。「食事療法、インスリン投与といった治療は決して楽ではなかったが、必要なことと前向きに受け入れた」、「食事療法はつらく、運動療法も面倒で続かないもの。でも糖尿病との上手な付き合い方をみつけ、治療を明るく楽しみながら続けてきた」といったコメントが紹介されている。

 糖尿病と診断された人が、治療への向き合い方によって変わる自分の未来を想像できるように、糖尿病と診断された患者が実際にたどってきた道のりをフローチャートで示した。

 2007年の国民健康・栄養調査によると、糖尿病が強く疑われる方は約890万人、糖尿病の可能性が否定できない方を合わせると約2210万人に上る。40歳以上の男性の3人に1人、女性の4人に1人は糖尿病患者か予備群という計算になり、糖尿病はもはや「国民病」になっている。

 糖尿病と言われたことがある人で、治療を受けていない割合は約4割と推定されている。厚労省担当者は「糖尿病は、痛みなどの自覚症状がないのに、厳しい食事管理や運動を強いられるため、治療を怠りがちになる。しかし、放置していると合併症が進行し、失明、人工透析、足壊疽といった結果になりかねない。糖尿病の医療は進んでいる。正しい知識を身につけ、治療を受け続けてほしい」と述べている。

糖尿病の治療を放置した働き盛りの今(厚生労働省)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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