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2010年09月02日

【人口動態統計】 心疾患による死亡が年々増加

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 厚生労働省は2日、「2009年人口動態統計(確定数)の概況」概数を発表した。糖尿病と関連の深い「心疾患」や「脳血管疾患」による死亡率が年々増えており、特に心疾患は上昇を続けている。

出典:2009年人口動態統計月報年計
 2009年の死亡数と人口10万対の死亡率を死因別にみると、第1位は悪性新生物(がん)(34万4105人)、第2位は心疾患(18万745人)、第3位は脳血管疾患(12万2350人)となっている。

 年次推移をみると、がんは一貫して増え続け、1981年以降は死因順位の第1位となり、2009年の全死亡者に占める割合は30.1%に上昇した。

 心疾患は、1985年に脳血管疾患にかわり第2位となり、その後も死亡数・死亡率ともに上昇していたが、2009年は前年より減少し、全死亡者に占める割合は15.8%になった。

 脳血管疾患は、1951年に結核にかわって第1位となったが、70年以降は低下しはじめ、81年には悪性新生物にかわり第2位に、さらに85年には心疾患にかわり第3位になり、その後も死亡数・死亡率ともに低下を続けている。2009年の全死亡者に占める割合は10.7%。

 死因を年齢別にみると、男性では60歳代、女性では50歳代まではがんの占める割合が多いが、それ以降の年齢では男女とも心疾患や脳血管疾患の占める割合が高くなる。

 一方で、糖尿病の死亡数は1万3987人(1.2%)と多くないが、実際には糖尿病(高血糖)が悪影響をもたらし心疾患や脳血管疾患を発症したケースも多いとみられる。糖尿病の予防・対策を行うことで、これらの病気の多くを予防可能なので、糖尿病への取り組みはとりわけ重要だ。

出典:2009年人口動態統計月報年計

平成21年人口動態統計(確定数)の概況(厚生労働省)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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