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2009年10月29日

健康を脅かす上位リスクは高血圧、喫煙、糖尿病 WHO報告

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 世界保健機関(WHO)は、世界の健康を害する危険要因を分析した報告書を発表した。「高血圧」「喫煙」「高血糖(糖尿病)」が世界の三大死因となっており、こうした疾患の発症に偏った食生活や運動不足など生活習慣が深く関わっており、また、先進国と途上国とで医療格差があることなどを強調している。

世界の死亡・医療負担の要因(2004年)
GLOBAL HEALTH RISKS(WHO、2009年)
 報告書によると、2004年時点の調査で、世界の死亡や医療負担の要因となる疾患の上位は、(1) 高血圧(12.8%)、(2) 喫煙(8.7%)、(3) 高血糖(5.8%)、(4) 運動不足(5.5%)、(5) 過体重・肥満(4.8%)、(6) 高コレステロール(4.5%)となっている。

 国民の所得の多い先進国と所得の低い途上国との医療格差が大きく、米国や欧州、日本など先進国では、死亡につながる危険因子として喫煙(17.9%)、高血圧(16.8%)、過体重・肥満(8.4%)を上位に挙げているが、途上国では低体重児(7.8%)、高血圧(7.5%)、安全でないセックス(エイズなどの感染)(6.6%)が上位になっている。

 先進国では高血圧や肥満、高コレステロールなどに加え、たばこの影響も大きい。喫煙はがん、心臓病、脳卒中、呼吸器疾患など、さまざまな病気の罹患率や死亡率を高める。WHOは喫煙が原因となる死亡の割合(30歳以上)は、米国などでは20%以上、欧州や日本、ロシア連邦などでは15%以上に上ると公表している。

2型糖尿病、高コレステロール、高血圧が虚血性心疾患の三大要因
さまざまな原因がからみあい発症を引き起こす
GLOBAL HEALTH RISKS(WHO、2009年)
WHOの報告書
「GLOBAL HEALTH RISKS」
 途上国では小児期における死亡が多く、亜鉛欠乏といった栄養不良による低体重児や増加はいまだに深刻だ。エイズなど感染症の脅威も続いている。これに加え、飲酒、喫煙、高血糖、高血圧、肥満、高コレステロール、果物・野菜の摂取不足、運動不足といった、先進国で多い健康的でない生活習慣が、途上国でも広域でみられるようになった。危険要因の上位5項目だけで世界の医療負担の4分の1以上を占めており、今後は低所得の途上国に集中することが予測されている。

 WHOは「世界的な健康危機に環境、生活習慣、生理学的な要因が複雑に関連している。科学的な根拠と医療経済の情報収集のための適切な調査を行い、それをもとに国や地域の現状に合った保健・医療政策を打ち出す必要がある」としている。

GLOBAL HEALTH RISKS:Mortality and burden of disease attributable to selected major risks(WHO)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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