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2009年12月07日

ED治療薬:「ネット販売の約6割はニセ薬」−製薬4社が注意呼びかけ

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 国内でED(勃起不全)治療薬を製造・販売している製薬企業4社(ファイザー、バイエル薬品、日本イーライリリー、日本新薬)は、インターネットで入手できるED治療薬の約6割が偽造医薬品であるとする、4社合同で実施した鑑定調査の結果を公表した。4社では、個人輸入した偽造品による健康被害の可能性があると、注意を呼びかけている。
偽造品は品質にばらつき、有効成分の超過・不足、有効成分なしも
 合同調査では、昨年12月から今年4月にかけて、日本語で運営されている日本とタイの「個人輸入代行」サイトから、「バイアグラ」「シアリス」「レビトラ」として販売されているED治療薬を計各ブランド60サンプル購入。各社が各ブランドの真贋を鑑定し含有成分の分析を行った結果、全体で約6割、日本での発注分では約4割、タイでの発注分では約7割が偽造品だった。

 偽造品の成分を分析した結果、品質にはばらつきがあり、有効成分含有量が承認用量を超過あるいは不足、または全く含まれていないもの、他の成分あるいは複数の不純物が含まれるものが確かめられた。

 各社では、専門の対策部署やプロジェクトチームを立ち上げ、偽造品の商標権の侵害に基づく税関での輸入差し止めや、警察の販売業者の摘発に協力している。しかし、偽造品は主にネットなどの非正規ルートを通じ多く流通しており、その実態は分かっていない。今回発注したサイトは全て日本人向けに日本語で作成されており、振込み先は日本になっていた。偽造品の多くは真正品に似せて作られており、外観で識別するのは難しいという。

 日本人がタイで偽造品を販売したとして起訴されている事件や、タイから日本に偽造品を輸入し摘発された事件が、タイ、日本の両国で発覚している。日本人がタイで偽造品の販売に関与したり、日本人がタイで偽造ED治療薬を購入している事例も各社に報告されている。

 調査結果について、丸茂健・東京歯科大学市川総合病院泌尿器科教授は「約6割が偽造品であったことは大きい。偽造品による健康被害の可能性は大きな問題と考えている」と話す。

 EDは多くの男性に起こりうる病気で、日本では現在、40歳以上の男性の半数以上が何らかの原因でEDになっているとみられ、潜在的な患者数は1130万人に達する。EDのリスクは加齢により高まり、加齢以外に運動不足や不規則な生活、過度な飲酒や喫煙など、生活習慣の乱れが原因になることも多く、心臓病や糖尿病などの重大な疾患が隠れている場合もあるという。

 丸茂教授は「EDは誰にでも起こり得る病気である一方、治療が可能な病気。相談しづらいからと、医師の診断を受けず安易にインターネットなどでED治療薬を購入し使用することを避け、まず医療機関を受診していただきたい。それがED治療の早道であり、また患者さんの健康の維持にもつながる」と述べている。

日本で販売されているED治療薬(PDE5阻害剤)の概要:

製品名 一般名 国内で販売している
組成・性状
販売 日本での発売年
バイアグラ シルデナフィル 25mg、50mg ファイザー(株) 1999年
レビトラ バルデナフィル 5mg、10mg、20mg バイエル薬品(株) 2004年
(20mgは2007年)
シアリス タダラフィル 5mg、10mg、20mg 日本新薬(株)
(2009年7月より販売)
2007年
日本イーライリリー(株)より発売

ファイザー(株)
バイエル薬品(株)
日本新薬(株)
日本イーライリリー(株)


性機能の低下も糖尿病合併症のひとつ

 勃起障害(ED)は、「勃起が十分でなく、性交ができないことがある」「勃起しないため性交ができない」といった症状が特徴となる。EDは、加齢(年をとること)によって起こりやすくなる病気で、成人男性の4人に1人がEDと疑われるという調査報告がある。
 糖尿病の人で、糖尿病の治療が不十分で高血糖の状態が続くと、全身の血管や神経に負担がかかりEDの発症が増える。糖尿病の人では、糖尿病でない人に比べEDが2〜3倍多いとされる。
 性機能の低下は、QOL(生活の質)に強く影響する。EDの治療を受け改善すると、性的欲求も戻ってきて、表情にはりが出てくることもある。その結果、糖尿病治療への意欲が高まり、血糖コントロールが良くなるというケースも少なくない。

◇糖尿病と性機能の関連
糖尿病 男の悩み(糖尿病NET)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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