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2008年10月17日

体重と腹囲から内臓脂肪の付き方を予測、画面で表示

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 日立製作所は、体重と腹囲を入力すると、内臓脂肪の付き方を推測して、腹部の断層画像を表示するシミュレーション技術を開発したと発表した。

 4月から始まった特定保健指導では、内臓脂肪の蓄積度合いを面談時に見せながら指導する方法が効果的と言われているが、コンピュータ断層撮影(CTスキャン)のために大掛かりな検査機器が必要となる。この技術を利用すれば、簡単に内臓脂肪の付き方などが分かるようになり、生活習慣改善への意識向上につなげられる。

 7万5000例の検診データを解析し、体重と腹囲から腹囲周辺の構造を分析し、内臓脂肪の面積をシミュレーションできるようにした。腹囲が小さい人と大きい人では、同じように体重を減らした場合でも腹囲の変化が異なることも判明。これらの結果から、現在の状態だけでなく、将来体重が変化したときに腹囲や内臓脂肪に現れる変化を推測して表示することも可能になった

 技術開発にあたって東京慈恵会医科大学附属病院新橋健診センターの協力を得た。特定保健指導などでのメタボリックシンドロームの改善を効果的に支援できるとし、2010年の実用化を目指している。10月17日から18日まで大分市で開催される「第29回日本肥満学会」でこの技術の一部が発表される。

内臓脂肪シミュレーション技術を実装したプロトタイプの画面例
画面左側が指導開始時(現在)の擬似断層画像、画面右側が体重変化後の擬似断層画像。
赤色、青色、白色、黒色、灰色はそれぞれ、内臓脂肪、皮下脂肪、脊椎、腸管、腹筋などの筋肉や血管を示している。
画面下側のスライドバーで目標とする体重を入力すると、現在の体重からの変化量に応じて画面右側の擬似断層画像が変形し表示される。
(株)日立製作所
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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