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2008年09月22日

歯磨きは動脈硬化や合併症の予防にもなる

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 糖尿病の食事療法や運動療法に取り組んでいる人は多いが、歯のことや歯周病と糖尿病を関連付けて意識している人は少ない。よく知らないという人も多いかもしれないが、実は口の中の衛生を改善することが、糖尿病合併症の予防につながる。

 歯周病は、口の中に常時住みついている細菌の一部により引き起こされる。口の中で見つかる細菌は数百種類に上り、その中には無害なものや健康を保つために必要なものもあるが、一部は歯周病の原因となる。

 歯を支えている歯周組織(歯肉、歯根膜、セメント質など)では、いつも細菌が歯の土台のより深部に入り込もうとしている。歯磨きをしていなかったり衛生状態が悪いと、それらの細菌が繁殖しやすくなる。そのため、しっかり歯を磨いて歯周病の原因となる細菌を繁殖させないことが必要となる。

歯磨きで心臓疾患を予防
 歯磨きには、歯周病を予防し歯の健康を保つため以外にも、さらに効用があることが最近の研究で明らかになった。歯磨きによって心臓疾患を予防できるというのだ。

 この研究は、今年9月にトリニティ・カレッジ(ダブリン)で開催された「一般微生物学会」(Society for General Microbiology)の秋期集会で発表された。心臓疾患の要因として喫煙、肥満、高血圧、糖尿病などが挙げられるが、口内の衛生状態の影響も見落とせないという。口内の衛生状態が悪いと、心臓発作や脳梗塞を発症するリスクが高まることが示された

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糖尿病と口の中の健康
糖尿病の人はそうでない人に比べ歯周病になる危険性が2倍以上高いという報告がある。歯周病対策は糖尿病治療の柱のひとつとなる。予防法についてイラストなどでわかりやすく解説している。

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 「口の中には約700種の細菌がいる。人間の体でもっとも汚れている場所かもしれない」と、アイルランド王立外科大学のスティーブ・ケリガン博士は指摘している。「歯茎から出血すると傷ついた血管から細菌が侵入しやすくなる。細菌が血液の中に入ると、傷口を塞ごうと血管内で血小板が凝結し、血栓(血液の固まり)ができる。」

 血栓ができて血管がつまると血流が止まってしまう。脳梗塞や心筋梗塞は、血流障害により酸素の供給が困難になり引き起こされる。

 「抗生物質による治療は有効だが、多発性の薬耐性菌が増加しており、この治療法が必ずしも有効ではない」とブリストルの大学のハワード・ジェンキンソン教授は強調している。こうした細菌はさまざまなメカニズムで血小板を凝集させ、血小板によって包み込まれることで抗生物質から身を守ろうとする

 歯垢(プラーク)が溜まり口の中の衛生状態が悪くなり細菌が増えすぎると、こうした病気を発症しやすくなる。予防するためにもっとも効果的なのは原因となる細菌を繁殖させないことだ

 そのために、毎日しっかり歯を磨いて歯垢を取り除くことが有効だ。磨き残っている歯垢や歯石は歯周病の原因となる細菌が付着し繁殖する足場になる。定期的に歯科医を受診して歯石をとってもらい予防することも勧められる。

米国科学振興協会(英文)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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