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2008年07月29日

糖尿病の人の「暑さ対策」 脱水症状に注意

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 猛暑が続いており、各地で熱中症で倒れる人が相次ぎ、救急車で病院や医療機関に運ばれている。糖尿病の人にとって、暑さ対策は特に重要だ。

 大量に汗をかく夏場は、汗などで体から排出される水分量が増える。水分の摂取量が不足し体内の水分が減ると、脱水症状を起こしやすくなる。口の渇き、尿量の減少からはじまり、脱水が進むと脱力感、倦怠感、頭痛、吐き気、めまいなどが起こる。

 暑さで体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温を一定に保てなくなると脱水症状を起こしやすい。腎臓病などの病気がなければ、予防するために運動の前後に水分補給を十分に行うことが重要。水分は、お茶やぬるま湯などの温かい飲み物よりも、10度くらい冷たいものが効果的だ。

 その他にも次のような工夫が役立つ―

  • 夏場は、汗の量に見合う水分補給をしたい。エネルギーのない水を飲んで、体重が増えることはない。

  • スポーツドリンクは水分と塩分を同時に補えるので効果的だが、糖質(果糖など)が多く含まれるものがあるので十分に注意したい。スポーツドリンクには100g中5gから10gの糖質が含まれるものがある。多量に摂取すると高血糖になるおそれがある。

  • ビールは利尿作用が強い。尿で排泄される水分の量が多くなるので水分補給にならない。コーヒーなどカフェインの入った飲料も排尿を増やす。喉が渇いていると飲む量は多くなりエネルギーの摂取量も増えてしまうので注意が必要。
 糖尿病の人では、汗をかかなかったり、反対に汗を多くかくことがある。体の一部で汗をかいたり、体の左右で違うというケースもある。糖尿病の人にだけ起こる現象ではないが、糖尿病になるとそうでない場合よりも起こりやすくなる。高血糖が続いていると起こりやすい自律神経(交感神経)の障害や皮膚の血流障害が要因と考えられている。

 脱水症状が現れた場合、軽症なら水分を補給し、涼しい場所で衣服をゆるめて横になると回復する。吐き気や嘔吐などで水分補給ができない場合や、脱力感や眠気、頭痛などがおさまらない場合は、医療機関で緊急の処置を受ける必要が出てくる。

脱水症状や熱中症を防ぐための「暑さ指数」
熱中症予防情報サイト

インターネットと携帯電話で、暑さ指数の速報を知ることができる。
 運動強度が強いほど熱の発生も多くなり、脱水症状の危険性も高くなる。気温や湿度などの環境条件、休息、水分の補給などにも工夫が必要になる。

 暑い場所で無理してウェーキングなどの運動をしても効果は上がらない。暑い時季は日差しの強い野外での運動を控えた方が良い場合もある。

 炎天下で運動すると、脱水症状や熱中症を起こしやすいことはよく知られているが、同じ気温でも湿度が高いと危険性が高くなることに気づかない人も少なくない。

 脱水症状の発生には、気温だけではなく、湿度、風速、日射などの輻射熱も影響する。これらを総合的に評価する指標が「湿球黒球温度(WBGT)」だ。

 この運動指針では、WBGT21度までは「ほぼ安全」、21〜25度は「注意」、25〜28度は「警戒」、28〜31度は「厳重警戒」と分類される。日本体育協会の策定した「熱中症予防のための運動指針」によると、夏場でWBGTが31度以上なら気温はほぼ35度以上に相当し、皮膚の温度より気温の方が高い環境となるため、運動は原則中止となる。

 環境省は携帯電話やインターネット向けに、一部地域の暑さ指数を情報提供している。予防の参考にしてはいかがだろう。

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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