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2008年06月24日
生活習慣病など投薬の長期化 厚労省調査
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厚生労働省は「平成19年社会医療診療行為別調査結果」を公表した。
この調査は、厚労省が市町村や健康保険組合など保険者に医療機関が請求する明細書(レセプト)を調べ、診療や薬剤、調剤などの医療費についてまとめたもの。2007年6月審査分の約46万件のレセプトを対象に調査した。
院外処方率は6割近く
調査では、医科の入院外における院外処方率が総数で59.8%で、前年に比べ5.2ポイント増えたことが分かった。病院・診療所別にみると、病院69.2%、診療所56.8%で、前年に比べそれぞれ6.9ポイント、5.1ポイント増えた。診療所内科に限ってみると、院外処方率は52.9%で、前年に比べ5.3ポイント増加した。
厚労省は医療費を抑制するための対策の一環として「医薬分業」を進めており、その影響で院外処方の割合が増えたとみられている。院外処方は、病院など医療機関で薬剤を渡す代わりに院外処方せんを発行し、保険薬局の薬剤師が処方内容、薬の飲み合わせなどを再確認し薬剤を渡すシステム。
院外処方により、医師は診察に専念することができ、医療機関の薬剤師は入院患者の調剤、注射薬調製や服薬指導により時間をかけることができるようになる。また薬剤師が専門的な立場でチェックすることで、薬剤や市販薬・健康食品などとの飲みあわせをチェックしたり、薬剤を出しすぎてしまういわゆる“薬漬け”の対策になると考えられている。
生活習慣病の増加と後発医薬品
生活習慣病患者が増えたことや、投薬の長期化していることも要因と分析されている。2型糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病は、一度発症すると完治が難しく治療が長期化する傾向がある。
薬剤の使用状況をみると、高血圧や脂質異常症(高脂血症)の治療薬を含む「循環器官用薬」は、院内処方、院外処方ともに薬剤点数の占める割合はもっとも高く、院内で23.9%(0.1ポイント増)、院外で26.8%(0.2ポイント増)と割合が高まった。
インスリンを含むホルモン製剤も院内7.2%(0.9ポイント増)、院外2.7%(0.5ポイント増)だった。糖尿病治療薬を含む「その他代謝性医薬品」は院内9.5%(0.8ポイント増)、院外8.8%(0.8ポイント増)で、いずれも生活習慣病関連薬剤の使用の割合は高まっている。
このほか、2006年の処方せん様式見直しで動向が注目されている後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用状況では、総薬剤費に占める割合は過去最高の6.8%(0.2ポイント増)、薬剤種類数に占める割合は19.3%(0.3ポイント増)だった。
平成19年(2007)社会医療診療行為別調査結果の概況(厚生労働省統計情報部)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所