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2008年06月12日
血糖測定の採血器具を使い回し 全国で報告が相次ぐ
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穿刺器具は、血糖値を測定するときに、指先などに針を刺して微量の採血をするために使用する。ボタンを押すと器具本体から一瞬、針が飛びだす仕組みで、患者個人の使用に限られている。
厚生労働省は5月22日に、各都道府県知事、政令市長などに対し、穿刺器具の取り扱いの周知徹底と使用状況の調査を実施するよう依頼する通知を出した。採血針や器具を使い回しすると、肝炎など感染症が広がる危険性があるからだ。
「複数患者使用不可」の表示
全国調査に乗り出すきっかけとなったのは、島根県の診療所で穿刺器具の針を交換しないで複数の患者に使用していたことが発覚した事例。確認されたのは1件だけだった。器具本体には「複数患者使用不可」と赤い文字で表示してあった
厚労省の調査の対象となるのは、病院、診療所、介護老人保健施設や、都道府県、市町村が実施した健康教室などの保健事業など。調査項目に、“不適切な使用が認められた施設数”や、“不適切な使用を行った器具名とその使用状況”などが含まれる。
下記の場合は「不適切な使用」とされる。
針を1回ごとに交換し、肌にふれる周辺部分を1回ごとに消毒すれば、採血量が微量なこともあり、感染の危険は非常に低いとみられているが、厚労省は「針を交換しても針の周辺に付着する血液からの感染を完全に否定できない」とし、針の周辺部分の複数への使用についても調査している。
これまで健康教室などで血糖値を測定したときに、針の周辺が使い捨て(ディスポーザブル)でないタイプ、つまり使用ごとに針を交換するが針の周辺は交換しないタイプの採血器具を使用し、皮膚に直接ふれるキャップ部分を複数で使用した事例が公表されている
調査の提出期限は6月20日*だが、感染が報告された例はまだ出ていない。なお穿刺針と針の周辺部分の両方が使い捨てのタイプや、器具全体が使い捨てのタイプは、今回のような感染の危険がないことから調査対象になっていない。
厚労省が把握している穿刺器具は、6月5日時点で30製品。各都道府県では、健康教室や医療機関などで血糖測定を行い不安を感じている人を対象に、保健所などに相談窓口を設けたり、検査の実施や通知文を発送するなど対策を施している。
穿刺器具の使い回しは禁止
厚労省は2006年に穿刺器具の使い回しを禁止する下記の通知を行っている。製造販売を行っている各メーカーもこの方針に合わせており、針を交換してもキャップに付着した血液が感染原因になりうるとして、取扱説明書に複数患者の使用禁止を明記している。
これまでの主な出来事
厚生労働省が医療安全対策として、採血用穿刺器具に関する取扱いについて注意喚起の通知を発出。 |
島根県の医療機関で採血用穿刺器具(穿刺針の周辺が使い捨てでないもの)を複数の患者に使用したことが公表された。23日までに県内の他の医療機関でも同様の事例が判明した。 | |||||||||||
厚生労働省は各都道府県知事、政令市長、特別区長に対し、同器具の取り扱いの周知徹底と使用状況の調査を実施するよう依頼する通知を出した。 | |||||||||||
6月2日 |
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6月9日 |
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6月10日 |
(都道府県のホームページより)
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高齢者介護施設における感染対策マニュアル-高齢者介護施設における感染管理のあり方に関する研究(平成16年度厚生労働科学研究費補助金)
社会福祉施設等における感染症予防チェックリスト(東京都)
患者の安全確保対策室/安全対策マニュアル(日本医師会 患者の安全確保対策室)