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2008年03月14日

生活習慣病対策を本格化 糖尿病調査を実施 [香川]

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 香川県は4月より特定健診・保健指導が開始されるのに合わせて、肥満や2型糖尿病などの対策に本格的に乗りだす。2008年度から5年間でメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の該当者と予備群の1割減らすことを目標としている。
男性の10人に6人がメタボ
 同県では40歳から74歳の男性の10人に6人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームの該当者か予備群とみられている。2004年の県民健康・栄養調査によると、男性で40歳代の55%、50代歳の63%、60代歳の65%が該当する。これは厚生労働省の全国調査のそれぞれ42%、50%、54%に比べて目立って高い割合だ。

 肥満の割合は年々増えており、肥満指数(BMI)で25以上の肥満とされた県内の成人男性は33%で、5年前より4.9ポイントも増加した。女性は23%で、いずれも全国平均よりも高かった。

県民にウォーキングを勧める運動
 同県は2002年に「健やか香川21ヘルスプラン」を策定したが、肥満や糖尿病などで改善を得られていない。こうした背景として、県民の運動習慣の少ないことが挙げられてる。

 道路事情が良いために、近距離でも車を使う人が多い。2004年度に国土交通省がまとめた全国輸送機関の利用状況によると、乗用車で移動する人の割合は91%で、全国平均を20ポイントも上回っている。

 「歩く機会が少ないため運動不足になっている」と分析しており、歩き通勤の奨励や、運動習慣を定着させるためのモデル事業を始めるなど、県民の生活習慣改善を強力に支援したい考えだ。運動奨励のシンボルマークやキャッチフレーズをつくり、健康づくりを勧めるイベント開催なども計画している。

 県民の食生活では改善がみられる。脂肪エネルギー比率は25%未満で全国平均より低く、望ましい割合(20〜25%)になっている。食塩の摂取量も、高血圧を予防するために望ましいとされる1日10g未満に近づいている。同県には歴史や風土に育まれたさぬきの豊かな食文化があり、「伝統的な食文化をいかしながら、健康的な食習慣の定着をはかりたい」としている。

 メタボリックシンドロームや肥満は2型糖尿病の増加と関連が深い。厚労省が2005年に行った糖尿病実態調査では、県内の10万人当たりの糖尿病死亡者数は14.3人で、全国都道府県別でワースト4位だった。

 そこで、香川県医師会、日本糖尿病学会中国四国支部、日本糖尿病協会香川県支部などは2006年に「県糖尿病対策推進会議」を設立し、糖尿病の予防や対策を推進している。糖尿病の一次予防と二次予防に役立てるため、糖尿病の発症前の運動や食事の状況についてのアンケート調査の実施も計画している

かがわ健康福祉情報ネットワーク
香川県糖尿病対策推進会議(香川県医師会)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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