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2008年03月13日

ネットで医薬品7000種類を検索 くすりの適正使用協議会

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 医薬品に関わる製薬企業などが中心となり活動しているくすりの適正使用協議会(RCJ)は、医療用医薬品の情報を検索できるサイト「くすりのしおり」について、すでに公開している糖尿病、高血圧症に、喘息を追加する方針を示した。
薬の作用や効果、気をつけたいことを紹介
 「くすりのしおり」は、医薬品の効能や副作用など適正使用についての情報を簡潔に紹介した資材。同協議会の会員が中心となり作成し同協議会がまとめた。医師や薬剤師が利用するためのものだが、医師が処方する医薬品について病気の知識も含めわかりやすく解説しており、患者にとっても役立つ内容になっている

 医師や薬剤師が治療や医薬品について患者と対話するときに、「くすりのしおり」を利用することで、患者の服薬に対する理解(薬識)が向上し、医師にとっては処方が的確になる。また、医療機関での医療者間の職能的な連携が強まることを期待している。

  • 病院で処方された医薬品のうち約7,000種類を、商品名、主成分、剤型、シートの記載などから検索できる。作用と効果、用法・用量、生活上の注意、副作用などを解説している。
  • 例えば、血糖降下作用のあるSU薬の場合、「インスリン分泌を促進して、血糖(血液中の糖分)を下げます」といった効用とともに、「低血糖症状があらわれることがあります。高所作業や自動車などの運転中に低血糖を起こすと事故につながります。特に注意してください」といった注意事項などを紹介している。
  • 視覚障害のある人も利用できるよう音声コードを付加し、音声で内容を聞き取ることができる。
 サイトでは糖尿病と高血圧症の公開が昨年はじまった。今月6日に都内で開催された同協議会の通常総会で、対象となる疾患を増やす方針が確かめられた。

 通常総会では、中学校学習指導要領案に医薬品の適正使用に関する記述が追加されたのに対応し、「くすり教育認定講師」の新たな設置や、教育用教材の改定など“くすり教育”の充実に向けた体制整備、企業からの要請に応じて講師を派遣する「薬剤疫学認定講師」を要請する事業の開始も承認された。

わかりやすい絵文字で「くすりのケア」


絵文字(ピクトグラム)は51種類あり、適応別に分類されている。
薬の使い方(11種類)、用いる時間の目安(14種類)、薬を用いるときの注意事項(6種類)、やってはいけないこと(禁止事項)(18種類)、日常生活で注意すること(2種類)。
 糖尿病のほかにも病気を併発し「経口薬の種類が多くなった」という患者は少なくない。薬の種類が増えると、飲み忘れや誤飲する可能性は高くなる。そこでくすりの適正使用協議会は、薬を服用する上での注意事項を表示した絵文字(ピクトグラム)を2004年より配布している。

 このピクトグラムは「くすりの用い方」「用いる時間の目安」「注意事項」「禁止事項」などを絵文字で表し、誰でも一目で理解できるように工夫してある。全部で51種類が用意されている。

 患者への服薬の説明は、薬剤師からの口頭、薬の説明書や薬袋で行われる。これらにピクトグラムを加えることで、同協議会は「‘駄目押しツール’や‘医薬品のケアマーク’として利用して欲しい」と説明している。

 2005年に実施した意識調査によると、3分の1の人が医薬品について「絵文字(ピクトグラム)のように、注意点がすぐ分かるマークがついているものがあれば良い」と回答したという。直感的でわかりやすい服薬の注意表記を望んでいる人は多い。

 同協議会は2006年に「活用マニュアル」を作成し、絵文字の活用方法、ホームページからの取り込み方法、調剤シーンに合わせた使用例の詳しい例示などを記載している。

 また、薬についての正しい理解や啓発に向けた取組みとして、学校教育向けに1種類の絵文字を掲載した「ピクト下敷き」も作成した。

くすりの適正使用協議会(RCJ)
 くすりのしおり | 絵文字(ピクトグラム)の庫 | くすり教育

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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