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2008年01月05日

半数が3カ月で食事療法から脱落 脂質異常症

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 脂質異常症(高脂血症)患者の半数が、医師らの指導で食事療法を開始した後、3カ月以内に食事療法を脱落していることが、脂質異常症患者と医療スタッフを対象にした意識調査で明らかになった。

 調査はシェリング・プラウとバイエル薬品が昨年10月と8月に行った。ひとつは日本肥満学会総会に参加した医療スタッフ77人を対象にした「脂質異常症(高脂血症)患者さんへの食事療法に関する調査」。もうひとつは脂質異常症(高脂血症)患者2,929人を対象にインターネットで行った「食事療法に対する意識調査」。
食事療法が続かない理由1位「食事の誘惑」、2位「仕事が忙しい」
 2つの調査結果を比べたところ、医師ら医療スタッフと脂質異常症患者のあいだには、食事療法に対する認識にズレがあることが分かった。

 患者の90%が「食事療法は大事」と回答したが、医療スタッフの25%は「患者は実践していない」とみている。食事療法の重要性を患者は理解していると考えている医療スタッフの割合は64%だった。

 また、医療スタッフの87%は「食事療法を実践している患者でも、コレステロール値に変化がみられないことがある」と回答。食事療法を実践しているという患者でコレステロール値の低下に必ずしもつながっていないことも分かった。

 さらに患者に指導された食事療法を何カ月続けているかを尋ねたところ、患者の27%は「3カ月以内に中止」と答えた。この数字に「1カ月以内」と「2カ月以内」の中止を合わせると48%になり、半数の患者が3カ月以内に食事療法を脱落している現状が浮き彫りにになった。

 食事療法を続けられなかった理由は、患者は「食事の誘惑」が30%、「仕事上、改善が難しい」23%だった。医療スタッフもそれぞれを挙げた割合が33%、32%と高く、食事療法を続けられない理由について、患者と医療スタッフは共通した認識をもっている。

 今回の調査について、板倉弘重・茨城キリスト教大学生活科学部教授は「特にこの忘年会・新年会といった、食事からのコレステロール摂取をコントロールしづらい季節だからこそ、健康診断などでLDLコレステロール値に異常があると言われた方は、そのままにせず、医師に相談することから始めましょう」と話している。

バイエル薬品(株)

このページの記事はバイエル薬品が2007年12月12日付で発表したプレスリリースを元にしています。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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