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2007年06月29日

4時間以上座ったままだと「エコノミークラス症候群」の危険が2倍に

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 世界保健機関(WHO)は、いわゆる「エコノミークラス症候群」についての研究結果を発表した。飛行機、列車、バス、自動車などの座席で、4時間以上座ったまま動かないでいると、血栓ができる危険性が2倍に高まるという。

 「エコノミークラス症候群」という病名は、狭い座席に長時間座ったままでいると起こりやすいことから付けられたが、航空機のエコノミークラスでなくとも、それに近い環境にいると起こる可能性がある。2004年10月に起きた新潟県中越地震では、避難生活を送っていた多くの人たちが発症した。

 WHOのプロジェクト発表によると、血栓塞栓症の危険性は、健康な人であると4時間の移動中に6000分の1と高くない。しかし、肥満がある人や、糖尿病など血管疾患の起こりやすい人では危険性が高くなるので注意が必要だ。

 WHOが今回発表したのは第1相の研究についてで、引き続き第2相の研究で詳しく調べるという。

エコノミークラス症候群を予防するために
日本旅行医学会のホームページで、「エコノミークラス症候群」の解説と対策法をみることができる。

 エコノミークラス症候群は、血液の流れが悪いと起こりやすい。長時間足を動かさず座ったままの姿勢でいると、血液の流れが悪くなり、足のふくらはぎの静脈内に血栓ができることがある(「深部静脈血栓症」)。

 その血栓が肺動脈に移動すると、肺動脈を詰まらせる「肺血栓塞栓症」という病気が起こる。そうなると呼吸困難におちいったり、脈拍数が速くなるなどの症状が現れ、ひどい場合は死亡に至ることもある。

 座ったまま長時間過ごすときには、血行を良くする対策として、つま先の上下運動を行ったり、2〜3時間毎に歩くなどの工夫が役立つ。

 また、飛行機の機内では空気が乾燥しており水分を失いやすい。血栓予防として水分を十分にとることも忘れないでおきたい。

詳しくは世界保健機構(WHO)のサイトへ(プレスリリース・英文)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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