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2007年06月01日
欧州全体で食事と運動に取り組もう EU委員会
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欧州連合(EU)委員会は、肥満(obesity)や太りすぎ(overweight)の人が急増しているのを受け、加盟国の食品企業に販売広告の自主規制などを要請する方針をあきらかにした。
成人の50%以上が太りすぎか肥満
委員会は、EUの大半の加盟国でこの20年間に、太りすぎと肥満が急激に増えていることを指摘。成人の50%以上が太りすぎか肥満とみられている。特に子供の肥満傾向は深刻で、2006年の調査では子供の30%が太りすぎとされた。
太りすぎの子供の数は2,100万人以上で、毎年40万人ずつ増えている。肥満の子供は300万人で、毎年8万5,000ずつ増えている。EUの保健委員は「このまま太りすぎや肥満の子供が増えると、成人した後に関連する病気の発症が増え、医療費の増加が深刻だ。食事を見直し、運動を習慣化することが必要」と報告している。
欧州で肥満者が3倍以上に増加
肥満は、心臓病、2型糖尿病、高血圧症などの危険因子であり、肥満に関連する病気の治療費は、EU加盟国の医療費の7%も占める。 WHO(世界保健機構)の調査によると、欧州諸国における肥満者の割合は1980年代に比べ3倍以上に増えた。1970年と1999年の調査を比較すると、1日にエネルギーを300キロカロリー多くとるようになり、脂肪からの摂取が増えた。 運動量は減っており、3人に1人が余暇に運動する習慣をもたず、1日に座って過ごす時間が平均5時間以上になるという |
EU加盟国が協同して対策
食品業界に広告の自主規制を求め、「消費者に食品についての情報を提供し、健康的な食品を選べるようにする」、「塩分や脂肪の摂取を抑えたり、そのための調理法を表記する」ことなどを要請する。肥満対策を強化しない場合には新たな規制の導入を検討する。
さらに、運動やスポーツの習慣化が肥満対策になることを、加盟国の国民に啓発する。欧州では野菜や果物、魚類の消費量が落ち込んでおり、これらの消費を促進するプログラムも必要と考えている。
肥満の増加をくい止めることが、EU加盟国での健康や医療に関わる政策の進行具合をはかる指標になるとして、国や地域が協力しあい事業を進めていくことを求めている。特に子供や若者の肥満対策について、4-5年で結果を出すことを期待している。
2010年に中間報告を行い、EU加盟国すべてで肥満対策がどこまで進んだかを調べ、それを基にそれぞれの国や地域でより進んだ対策を施す予定。●詳しくは欧州連合(EU)のサイトへ(英文)
Nutrition and Physical Activity
欧州連合(EU)委員会「欧州の栄養摂取、太りすぎ、肥満の対策と健康」(PDFファイル)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所