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2007年02月05日

ノボラピッド®の妊婦治療 米国で安全性格上げ

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 ノボ ノルディスク社米国法人(ニュージャージー州)は、米国食品医薬品局(FDA)が1月30日付けで超速効型インスリンアナログ製剤「ノボラピッド®(米国販売名NovoLog®、一般名インスリン アスパルト)」の薬剤胎児危険度分類をカテゴリーBに引き上げたと発表した。

 これは、「ノボラピッド®による治療が、1型糖尿病合併妊婦およびその胎児に対し安全で効果的であること」を示している。

 米国FDAでは安全性確保の対策として医薬品の安全性をランク付けして分類し、医師が治療を決める際のガイドラインを提供している。

 ノボラピッド®が分類された薬剤胎児危険度分類カテゴリーBとは「全妊娠期間中を通じてノボラピッド®が胎児のリスクを増加させないことが、妊娠女性を対象とした適切な試験によって証明された」ことを意味する。

 ノボラピッド®は、2006年7月には欧州委員会により妊婦への使用が認められた。現在EUで妊婦への使用が認められている唯一のインスリンアナログ製剤。

 今回のFDA薬剤胎児危険度分類の変更は、1型糖尿病合併妊婦へのインスリン治療に関する過去最大の無作為比較試験の結果に基づいて行なわれた。

 この試験には18カ国63施設が参加し、322名の1型糖尿病合併妊婦の治療においてノボラピッド®とヒトインスリンの安全性と有効性が比較された。

 試験結果から、ノボラピッド®は、ヒトインスリンと比較して妊娠初期・妊娠後期の食後血糖値を有意に改善することが示されたという。

糖尿病と妊娠について

 妊娠中は胎児の成長に伴って母体のインスリン需要量が大きく変化し、かつ、妊娠中の高血糖状態は母体・胎児へさまざまな悪影響が生じるリスクを高めるため、妊娠中の糖尿病治療では非妊娠時よりも厳格な血糖コントロールが求められる。

 これらのリスクは、母体の血糖コントロールを良好に保つことで低減することができる。糖尿病合併妊婦および食事療法でコントロール不十分な妊娠糖尿病の治療ではインスリンの基礎分泌と追加分泌を十分に補うために強化インスリン療法が一般的に実施されている。

詳しくはノボ ノルディスク ファーマ(株)のサイトへ(プレスリリース)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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