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2007年01月16日
ウォーキングに工夫を加え運動を効果的に
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食事療法に加えて運動療法を行うことで、血糖値が下がり、インスリン抵抗性が改善するなど良い効果が得られることがさまざまな研究で示されている。
しかし、積極的に運動を行うのが良いのは分かっていても「急に始めるのは大変」、「しんどいのは苦手」、「長く続けられない」という人は多い。また、網膜症など糖尿病合併症のある人では、運動には注意が必要となる。
ウォーキングは手軽に年齢を問わず取り組める運動で広く行われている。そこで、無理なく効果的にウォーキングを続けられる方法がいくつか考案されている。糖尿病の運動療法を続ける上で参考になる。
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その名が示すとおり、笑顔で運動を続けられるような運動強度を推奨している。これは感覚的には早歩で「ややきつい」と感じる強度。
運動に取り組む人が自分で運動量を把握できるように、簡単に測れる脈拍数を目安にしている。50歳代で1分間の脈拍数が104から133、60歳代で101から128、運動を停止してから15秒後の15秒間の脈拍数がそれぞれ24から31、23から30が適度な運動量となる。
生活習慣病の予防効果が期待されており、福岡大学スポーツ医学部の田中宏暁教授(運動生理学)らによる、石川県能美 市の65歳以上の男女200人を対象にした研究では、ニコニコペース運動に1年5カ月間取り組んだ人では、平均医療費や通院日数が実際に減ることが確認された。
●詳しくはNPO法人熟年体育大学リサーチセンターのサイトへ
●詳しくは「ニコニコペース」のサイトへ
関連情報
・運動療法のコツ(1) [基礎](糖尿病セミナー)
・運動療法のコツ(2)合併症のある人の運動(糖尿病セミナー)
インターバル速歩
インターバル速歩は、速歩とゆっくりとした歩行を3分ごとに繰り返す歩行法。ウォーキングに強弱のリズムを取り入れることで、安全に長時間続けられると考えられている。
信州大学や松本市などが約3,000人の協力を得て行った研究では、インターバル速歩により、体重、脂肪、血圧、空腹時血糖値が改善し、大腿筋の筋力や最大酸素摂取量も向上したという。
研究では、参加者に体力測定や血液検査などを受けてもらい、初期体力に基づいた個別運動処方が作成された。携帯型の運動量測定器を身に付けてもらい、インターバル速歩を取り入れた運動をしてもらった。体に適度な負荷を与えられる70%程度の力で歩いてもらうことを目指したという。
この研究は、信州大学院医学研究科、信州大学病院先端予防医療センター、NPO法人熟年体育大学リサーチセンターによって、厚労省の長寿科学総合研究事業の研究費などを得て実施された。現在、効果的な指導法の確立に向けて、10万人規模の研究データを集める研究の準備が進められている。
ニコニコペース運動
「ニコニコペース」は福岡大学スポーツ科学部の運動生理学研究室が提唱しているもので、運動を自分の能力に応じた強度で行うことで運動効果を得ようという考え方●詳しくは「ニコニコペース」のサイトへ
関連情報
・運動療法のコツ(1) [基礎](糖尿病セミナー)
・運動療法のコツ(2)合併症のある人の運動(糖尿病セミナー)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所