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2007年01月16日
脳梗塞の発症メカニズム 糖尿病男性で発症率が3倍に
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この研究成果は、福岡県久山町で14年続けられているコホート研究などにより得られたもの。1988年に健康だった40歳以上の住民1642人について、2002年までの14年間の脳梗塞の発症率と、この遺伝子の関係を調べた。
脳梗塞の患者と健康な人を比べ、DNA上の約5万2,608ヵ所の塩基配列の個人差(一塩基多型=SNP)を調べたところ、最大2.8倍の発症率の違いがあることが明らかになった。
こうした研究により脳梗塞の発症メカニズムが解明されれば、脳梗塞を遺伝子レベルで予測し個人に合わせた医療や

日本では脳血管疾患(脳出血や脳梗塞など)の発症率が高く、患者数は136万5,000人。発症するとしばしば長期の入院が必要となり、入院期間の平均は101.7日となっている。
糖尿病患者は、糖尿病でない人の2〜3倍なりやすく、脳梗塞になった人の約半数に糖尿病がみられることは意外に知られていない。
なぜ糖尿病の人がこれらの病気になりやすいかと言うと、脳梗塞は動脈硬化のために血液が流れなくなって起こる病気であり、糖尿病はその動脈硬化の進行を早めてしまうからだ。
脳卒中予防10カ条
脳卒中は危険因子を除去することで、予防に努めることもできることから、日本脳卒中協会は下記の「脳卒中
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糖尿病以外にも次の危険要因があると、動脈硬化の進行が早まる。動脈硬化は年齢が上がるとともに進むことが知られているが、進行を加速する要因が分かっているときには、1つずつ解消してくことが予防につながる
高血圧
最も注意が必要な危険要因は高血圧で、久山町の調査では血圧値の高い人ほど脳梗塞の発症率が高くなることが確かめられた。収縮期血圧(最高血圧)が140mmHg、拡張期血圧(最低血圧)が90mmHgを超えると、発症率は高くなる。脳梗塞を予防するために、血圧をこのレベル以下に下げることが必要
高脂血症
血糖コントロールと同様に、コレステロールや中性脂肪のコントロールも重要。血管壁の細胞にコレステロールなどが溜まると動脈硬化が進行する。これを防ぐために血清脂質(コレステロールや中性脂肪)をなるべく低めにするのが効果的。血清脂質を低めにしておくと血栓による梗塞が起きにくくなる。
久山町の調査では、悪玉のLDL-コレステロールが150mg/dLを超えると発症率が高くなった。脳梗塞のを防ぐための目標は120mg/dL未満。
喫煙
脳内の細い動脈が硬化しておこるラクナ梗塞の発症率が、1日10本未満の少量の喫煙者で最も高くなった。禁煙が勧められる。
アルコール(飲酒)
日本酒に換算して1日1.5合未満の少量のアルコール摂取によって、高血圧者の脳梗塞発症率が半減することが示された。しかし、飲酒量が増えるとその予防効果はなくなった
●詳しくは「ネイチャー・ジェネティックス」のサイトへ(英文・要約)
●詳しくは久山町のサイトへ
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約6割の人が糖尿病が脳梗塞の危険因子であることを知らない