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2007年01月15日

地域のスポーツセンターでの運動が血糖コントロールを改善する

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[ 海外の研究から ]
 2型糖尿病患者が地域のスポーツセンターでレジスタンス運動を続けることが良好な血糖コントロールにつながるという研究が、オーストラリアの研究チームによって発表された。

 この研究は、メルボルンにある国際糖尿病研究所のDavid W. Dunstan博士らによって米医学誌「Diabetes Care」12月号に発表された

 研究に参加したのは、BMI(体重指数)が27以上の過体重で、2型糖尿病の既往がある40〜80歳の成人57名。HbA1cは7%台で、普段の仕事は運動強度の低いデスクワークが中心。

 まず参加者に研究所で週2回のレジスタンス運動を行うプログラムを2カ月続けてもらい、次に地域のスポーツセンター、あるいは家庭のいずれかで、週2回レジスタンス運動を行うプログラムを12カ月続けてもらった。

 スポーツセンターで運動を行う群では、参加者にYMCAのスポーツセンターの会員になってもらい、YMCAのスタッフの指導のもと1週当たり2、3回の運動行った。重量をかけて筋力を鍛える運動を8種類行い、うまくいっている場合には重量を増やした。

 2カ月後および14カ月後に血糖値やインスリン抵抗性などを測定したところ、いずれもスポーツセンターで運動した群の方がより良好な結果がみられた。

 研究所での2カ月間のプログラムを終えた時点で、HbA1cが0.4%低下していた。さらに14カ月後には、家庭で運動した群では0.1%低下しベースライン近くまで戻っていたが、スポーツセンターで運動した群では0.4%低下していた。また、HOMA指数によるインスリン抵抗性が調べられ、スポーツセンターで運動した群の方がより改善していることが確かめられた。

Diabetes Care 2006;29:2586-2591.

詳しくは「Diabetes Care」のサイトへ(英文)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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