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2006年08月25日

国民医療費がますます増えて32兆円に 糖尿病は減少

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 厚生労働省は、2004年度に病気やケガの治療のため医療機関に支払われた医療費(国民医療費)が32兆1,111億円だったと発表した。前年度より1.8%(5737億円)増えて、2年連続で過去最高を更新した。

 医療費が増えた要因は、医療費のかさむ高齢者が増えたこと、医療技術の高度化で1人当りの医療費が増えたことなど。これらを合わせると医療費の増加は2.8%になるが、薬価が医療費ベースで約1%引き下げられたことで全体では1.8%増に抑えられた。

 診療種類別にみると、入院や外来など「一般診療」に24兆3,627億円(1.1%増)。内訳は入院医療費が11兆8,464億円、外来医療費は12兆5,163億円だった。薬局調剤医療費は、4兆1,935億円で初めて4兆円を超えたが、伸び率は7.8%にとどまった。医薬分業が浸透してきたことが影響しているとみられている。

 国民医療費のうち、65歳以上の医療費の全体に対する割合は51.1%の16兆4097億円。高齢者の医療費が半分以上を占める。1人当たりの医療費は高齢者ほど多くなる傾向があるので、高齢者人口が増えるほど医療費は増えていく。1人当たりの医療費は65歳以上は65万9,600円で、65歳未満の15万2,700円の約4.3倍にあたる。

糖尿病の医療費は1兆1,168億円

 一般診療医療費の傷病分類別では、最も多かったのは「循環器系の疾患」5兆4,603億円だった。次いで「新生物(がん)」が2兆7,676億円、「尿路性器系の疾患」1兆9,956億円、「呼吸器系の疾患」1兆9,801億円と続いている。

 糖尿病の医療費は1兆1,168億円で、前年度に比べて297億円(2.6%)減少した。このうち入院医療費は3,931億円、入院外は7,237億円で、通院治療による医療費の比率が高い。

●詳細は厚生労働省のサイトへ
 平成16年度国民医療費の概況

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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