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2006年08月14日

「健康運動指導士」が増強へ 認定要件を緩和

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メタボリックシンドローム改善に期待

 厚生労働省は来春から、生活習慣病予備群に運動を指導する専門家「健康運動指導士」の認定制度を大幅に見直す。市町村などが開催する運動教室やフィットネスクラブなどに通う中高年が増えているのを受け、認定者を年間2,000人程度に倍増する計画だ。

 政府は、糖尿病などの患者・予備群を25%減らすことを目標に医療制度改革を、また国民の健康寿命を10年間で2年伸ばすことを目標に健康フロンティア計画を推進している。生活習慣病の発症リスクの高い人に、運動を中心に生活習慣を改善してもらうことで、予防対策やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)改善を実行してもらうおうと考えている。
「健康運動指導士」資格の取得過程はこうなる
 健康運動指導士は、財団法人「健康・体力づくり事業財団」が認定する制度。同財団は医療、体育系大学、フィットネス産業界などの関係者による検討会を立ち上げ新しい健康運動指導士の方向性をさぐっていた。

 新制度では、カリキュラムの拡充がはかられる。2005年度までは講習会を144時間(96単位)受講することで受験資格を得られたが、2007年度以降は180時間(120単位)に広げられる。生活習慣病予防関連の講座や実習などカリキュラムを増やされ、医学の基礎知識や健診結果に基づく運動指導なども強化される

 実務経験者の資格取得も促す。5年以上の実務経験があるなど一定の基準を満たしている人は、講習会を36時間(24単位)受講することで受験資格を得られるようになる。

 体育系大学の学生、管理栄養士といった一定の知識をもつ人に対しては、講習を一部免除または削減し資格を取りやすくする。さらに、体育大学や体育学部のある大学などに生活習慣病に関連したカリキュラムを盛り込むようはたらきかけ、百校程度を健康運動指導士の「養成校」に指定する方針だ。

 健康運動指導士は4月1日時点で全国に1万857人いる。現行制度では誰でも、3カ月(148.5時間)期間の講習会を受講すれば認定試験の受験資格を得られる。試験に合格した有資格者は、フィットネスクラブや保健所、保健センターなどで働いている。

●詳細は厚生労働省のサイトへ
 運動施策の推進

●関連情報
毎日の必要な運動量が分かる「エクササイズガイド」

[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所

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