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2006年08月03日

政管健保の生活習慣病健診 受診率の地域差は2.7倍

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医療制度改革で健康保険はこうなる

 国民が加入する健康保険は現在、市町村が運営する国民健康保険、国が運営する政府管掌健康保険、企業などを単位とする健康保険組合の3つに大別される。

1. 国民健康保険(国保)
 現在の加入者数は約4,700万人。赤字運営の市町村が7割におよび、高齢者の加入者が多い。将来は都道府県ごとに運営されるようになる。保険財政を安定させ保険料の不公平をなくすために、運営する共同事業は市町村の拠出で設けられる。

2. 政府管掌健康保険(政管健保)
 現在の加入者数は中小企業のサラリーマンと家族ら約3,500万人。将来は国とは別に都道府県ごとに公法人(全国健康保険協会)を設立し運営されるようになる。保険料率は地域の医療費を反映し、都道府県ごとにを決めるようになる。

3. 健康保険組合(組合健保)
 現在の加入者数は約3,000万人、全国に約1,600の組合健保がある。将来は企業や業種を超えた健保組合の設立を認めるなど規制が緩和され、再編成が進められる。

 政府管掌健康保険が実施している「生活習慣病予防健診」の2005年度の受診率は全体で29.3%で、都道府県別で見ると、最も高い高知県の44.3%に対し、最も低い大阪府は16.4%で、2.7倍の地域差があることが、社会保険庁の調査で分かった。

 政府管掌健康保険(政管健保)は、政府が事務手続きを含めた運営を行う健康保険で、健康保険組合が設立されていない会社で働く人が加入する。大企業中心の組合健康保険とは形態が異なり、運営は社会保険庁が行っている。

 40歳以上の加入者の受診率が高かった都道府県は、(1)高知県(44.3%)、(2)島根県、大分県(いずれも43.8%)、(3)新潟県(42.6%)、(4)沖縄県(42.4%)の順。

 低かったのは、(1)大阪府(16.4%)、(2)埼玉県(22.8%)、(3)栃木県(23.5%)、(4)千葉県(23.7%)の順。*

 社会保険庁は「生活習慣病予防健診の受診率の低い都道府県については、受診していない人に働き掛けるなどの受診率向上策を実施したい」としている

 医療制度改革に伴い、2008年度に新たな高齢者医療制度が導入されることが決まった。現在は社会保険庁が運営しているが、公法人である全国健康保険協会が後継組織となる。各都道府県の負担金は、健診の実施状況が良好であれば減額、悪化すれば増額することになっている。

* 健康診断の実施は労働安全衛生法で事業主に義務付けられており、職場の健診を受けているケースが多く、実際の受診率はこれより高いとみられる。
●詳細は社会保険庁のサイトへ
 第22回政府管掌健康保険事業運営懇談会
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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