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2006年07月25日

沖縄県で糖尿病がますます増加 メタボリックシンドロームも

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 沖縄県で2型糖尿病が40代から80代の男性で急増していることが、同県がまとめた「健康おきなわ2010」の中間評価報告書で分かった。

 沖縄は「健康長寿県」と呼ばれており、1970年までは2型糖尿病などの生活習慣病の有病率が全国に比べ低かった。1970年代の糖尿病の死亡率は、全国が10万人当り9〜12人だったのに対し、5〜7と低く推移していた。しかし1995年以降は男性で8〜10人に増え全国平均を上回っている。

 また、県の社会保険事務局のまとめによると、2004年度に受診した30代以上の人の中で、BMI(肥満指数)が25以上で肥満と判定された割合は男性で46.9%、女性で26.1%に上り、男女とも全国1位になった。男性では2位の北海道より12.1ポイント、女性では2位の青森より3.4ポイントと大きく上回った。

 糖尿病合併症も増加した。障害者手帳の発行状況によると、糖尿病性腎症で腎不全になった患者数は毎年150人前後で増えており、2004年度末に1,204人になった。また、壊疽による手足切断者は毎年15人前後で推移し、2004年度末に98人が糖尿病主因の手足切断で障害者手帳を受けた。

 原因として生活習慣の変化が挙げられている。伝統的な食習慣が失われ、代わりにファストフードの利用などが増えた。過食や脂肪の過剰摂取が増え、運動量も減少した。「健康おきなわ2010」では、脂肪エネルギーの比率を20%から25%に抑えることや、1日歩行数を男性 9,000歩、女性 8,000歩に増やすなど、具体的な目標を掲げているが、現状では脂肪エネルギーの比率の平均が31.0%、歩行数の平均が男女それぞれ7,401歩、6,754歩など、多くの項目で目標に達していない。

メタボリックシンドロームも増加

 中間評価報告では、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)についての調査も行われ、メタボリックシンドロームが疑われる人の割合が、1999年度と2004年度の比較調査で、30代から60代の男性でいずれも増加していることが分かった。

 調査は1999年度と2004年度の市町村の基本健診結果を基にしており、ウエスト(腹囲)周囲径ではなく、BMI(肥満指数)を判定基準とした。BMIが25以上の肥満で、危険因子が2つ以上ある人の割合から推定した。

 男性では、30代 2.4%増、40代 3.9%増、50代 2%増、60代 5.8%増といずれも増加傾向にある。女性では、30代は0.1%増、50代は1%増、60代は2.5%増だった。

詳細は「健康おきなわ2010」のサイトへ

[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所

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