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2016年11月18日
【CSII&SAP調査】使用者の98%が低血糖経験あり、3割は自覚なし
- キーワード
- 1型糖尿病 インスリンポンプ/CGM 医薬品/インスリン
糖尿病医療は日進月歩、薬剤をはじめ治療法においても選択肢は広がっています。なかでも、24時間を通じてインスリンを持続的に注入するインスリンポンプ療法は、日本語対応の新型インスリンポンプ(CSII)やパーソナルCGM(持続血糖測定器:Continuous Glucose Monitoring)付きのインスリンポンプ(SAP:Sensor Augmented Pump)が登場しています。SAPは血糖変動を患者さん自身で随時確認できるのが大きな特徴で、これから血糖値が上がるのか、下がるのか、変動トレンドを確認したうえで追加インスリン(ボーラス)の量やタイミングが検討できます。また、アラート機能により予期せぬ高血糖や低血糖への早期対応がしやすくなっています。本アンケート調査では、こういった最新機器を実際使用してみての感想を伺いました。
まず、患者さんのCSII導入では「もっと細かく血糖コントロールをしたかった」が57%と最も多く、「治療環境の質(QOL)を上げたかった」46% という理由が上位を占めました。SAP導入理由は「CGMを利用した持続的な血糖管理をしたかった」が最も多く73%、「治療環境の質(QOL)を上げたかった」52%、「低血糖で悩んでいた(低血糖を感知し教えてくれる機能があるから)」41%と続きました。このような希望に対し、CSII使用者の46%が「改善しつつある」、38%が「改善した」と答え、SAP使用者では「改善しつつある」が50% 、「改善した」が40%と、ほとんどの方が改善を実感しているとのことでした。
低血糖については回答者の98%が「経験あり」でしたが「自覚あり」は67%。夜間低血糖にはどのように気づいたかでは「夜中に目が覚めた」57%、「アラートが鳴った」37%でしたが、SAP患者では(当たり前とはいえ)「アラート」で気づいた人が63%と1.7倍多くおられました。夜間低血糖の経験が「ある」けれど自覚が「ない」人で、SAPを使用している人では100%が「低血糖を把握したい」と、克服への想いが強くみられました。
また、低血糖で怖かったこと、ヒヤリとしたご経験について記述いただきました。低血糖に気づくのが遅れて意識を失った、気づいたら病室だったといった例や、たまたまブドウ糖を手元に置いてなかったので這って取りに行ったが、手が震えてしまい、なかなか摂取できず怖かった、呂律が回らず住所が言えなかったといった事例もありました。さらに、「たまたま縁石に衝突し停車したため人身事故には至りませんでしたが、これがSAP導入の主因になっています。なぜ低血糖に気が付いていたのに停車しなかったのかと問われますが、運転中に低血糖で意識障害が出始めると、路肩に寄せて止める、ということがほぼできなくなり(路肩がわからない)、走行し続けてしまいます。ハザードランプを点けて道路のど真ん中に停車しても仕方がない、と言われることもありますが、相当な危険が伴います」といった“ヒヤリ”どころではないアクシデント経験者も。
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CSII&SAP機器活用状況に関するアンケート調査 ▶
糖尿病ネットワーク「インスリンポンプ情報ファイル」で行ったアンケート結果はこちら。
CSII&SAP機器活用状況に関するアンケート調査 (2016年) ▶
小児1型糖尿病患児の治療環境に関するアンケート調査(2015年) ▶
インスリンポンプ療法の普及と医療費に関する調査(2011年) ▶
インスリンポンプ療法に関する調査(2009年) ▶
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