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2012年01月09日
日本は世界第6位の糖尿病大国 急増する糖尿病人口
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- IDF(国際糖尿病連合) 糖尿病の統計
2011年時点での成人の糖尿病人口ランキングで、日本は第6位の1070万人だった。上位3ヵ国は(1)中国、(2)インド、(3)米国で、2030年になっても上位3ヵ国の順位は変わらないと予測されている。特に中国とインドで糖尿病が爆発的に増加し、有病数は2030年にそれぞれ1億2970万人と1億120万人で1億人を超える。


年齢層別に見ると、40〜59歳では約355万人、60〜79歳では約648万人と、加齢に伴う増加傾向が著しい。
日本を含む西太平洋地域全体でみると、糖尿病のある人の数は40歳〜59歳で急速に増えている。糖尿病関連の死亡率がもっとも高いのも、男女ともにこの年齢層だ。
糖尿病の恐さは、重症化するまでほとんど自覚症状がなく、気づいたときには合併症が進行している点にある。
高血糖の状態が続くと血管が傷つけられ、さまざまな合併症があらわれる。糖尿病は失明や慢性腎不全の原因にもなる。医療整備が十分に行われていない途上国を中心に、網膜症、腎症、神経障害といった合併症のほか、足が壊疽を起こし切断に至るケースが多く報告されている。
糖尿病の脅威は世界規模で拡大している。国際糖尿病連合(IDF)がWHOと共同で行った統計調査によると、糖尿病が原因となり死亡した人の数は、2011年は全世界で約460万人だったと推計されている。7秒に1人が糖尿病や糖尿病合併症が原因で亡くなっており、48%は60歳以下に集中している。
糖尿病の有病者のおよそ半分に相当する1億8300人が糖尿病の診断を受けておらず、糖尿病に関する適正な知識をもっていないとみられている。
世界の糖尿病増加をインドとともにけん引している中国の存在が大きく、2011年中国の糖尿病人口は9000万人(有病率9.0%)で、2030年までに1億2970万人に達する。また、太平洋諸島に糖尿病有病率の高い国が特に多く、キリバス25.7%、マーシャル諸島22.2%、ナウル20.7%、ツバル19.5%となっている。
西太平洋地域の糖尿病に関連する死亡の割合は高い。2011年に糖尿病が原因で死亡した人の数は約170万人(男性97万3000人、女性73万5000人)で、これは成人の全死因の15%以上に相当する。糖尿病が原因で死亡した人の46%が60歳以下だった。
西太平洋地域で新規に1型糖尿病と診断される子供の数は約5000人で、15歳以下の1型糖尿病患者数は2011年は3万700人だったと推定されている。小児の1型糖尿病患者数がもっとも多い国は中国(8700人)で、フィリピン(7800人)が続く。1型糖尿病の発症率がもっとも高いのはオーストラリアで、2011年には子供10万人当り22.5人が1型糖尿病と診断された。

Diabetes Atlas(国際糖尿病連合)
IDF DIABETES ATLAS - Mortality(国際糖尿病連合)
関連情報
世界の10人に1人が糖尿病 2030年までに5億人超 国際糖尿病連合(糖尿病NET)
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