糖尿病Q&A1000

Q.355 代謝症候群とは?

 糖尿病や高脂血症、高血圧などの生活習慣病は、肥満やそれによるインスリン抵抗性※1・高インスリン血症※2といった共通の原因から発病することが多く、いったん発病するとそれらを併発して動脈硬化を加速度的に進行させます。このような病態が代謝症候群で、シンドロームX、死の四重奏、インスリン抵抗性症候群、内臓脂肪症候群、マルチプルリスクファクター症候群などの考え方にあい通じるものになっています。
    ※1 インスリン抵抗性:糖尿病で血糖値が高くなる直接的な原因は、血糖値を下げるように作用するインスリンの分泌が低下することと、インスリンに対する細胞の感受性が低下することの二つです。前者の顕著な例が1型糖尿病で、この場合インスリン分泌はほとんどなくなります。2型糖尿病の場合は二つの原因がともに関係していることが多く、とくに肥満傾向のある人ではインスリン抵抗性の影響が強いことがわかっています。(Q.18、19、20、21参照)

    ※2 高インスリン血症:血液中のインスリン量が増え過ぎている状態。インスリン抵抗性の代償として高インスリン血症になっていることがしばしばあります。細胞のインスリンに対する感受性低下をインスリンの量で補っているため、血糖値はそれほど高くないことも多く、糖尿病とは診断されないこともあります。しかし、その段階でも動脈硬化の進行スピードが加速されます。

2006年04月26日

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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03-4 動脈硬化のQ&A

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