糖尿病の用語辞典


GAD抗体 自己抗体

CSII インスリン持続皮下注入療法

GLP-1受容体作動薬 インクレチン関連薬

C-ペプチド
 インスリンができる前段階の物質(前駆体)の一部で、インスリンの分泌量と同じ量が、血液中に分泌されています。血液中や尿中のC-ペプチドの量を測定することで、膵臓がどのくらいインスリンを分泌しているのかがわかります。

糸球体濾〈ろ〉過量
 腎臓の機能を表す検査値の一つ。糸球体は、腎臓の主要な役割である血液の浄化機能を司っていて、毛細血管が毬〈まり〉状に集合してできています。その細い血管を血液が通過する過程で、血液内の不要なものが濾過され、尿になります。高血糖による細小血管障害で糸球体の血管が傷められると、濾過機能が低下して糸球体濾過量は下がります。
 糸球体濾過量は、クレアチニンという老廃物の量を血液検査と尿検査によって調べる「クレアチニンクリアランス」という検査値などで把握できます。しかしこの方法は測定が繁雑なため、血液検査だけで得られる血清クレアチニン値や血清シスタチンC値から糸球体濾過量を割り出す計算式が開発されました。この計算式の結果を「推算糸球体濾過量」といい、慢性腎臓病の早期発見に役立てられています。

持効型溶解インスリン
 持続型インスリンの新しいタイプで、作用のピークがなく、ほぼ24時間安定した血糖降下作用を現す製剤を、持効型溶解インスリンと呼んでいます。

自己抗体
 抗体とは、体内へ細菌やウイルスなどの異物などが侵入したときに作り出される蛋白質のことで、次に同じ異物が侵入した場合、すぐにそれを排除するように働きます。本来、抗体はからだを守るために産生されるのですが、これが自分のからだに対して反応してしまうものを自己抗体といいます。糖尿病に関係のある自己抗体として、インスリン自己抗体や GAD 抗体、膵島細胞抗体(ラ氏島抗体)などがあります。検査でこれらを調べることで、1型糖尿病の発病やインスリン分泌力の低下を測することができます。

自己免疫疾患
 免疫とは、体外から侵入する細菌やウイルスなどの異物や体内に発生する異常な細胞に対して、それを除去するように働く防御機のことです。この防御機が自分のからだの組織に対して働いてしまうことを自己免疫疾患といい、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの病気があてはまります。1型糖尿病の多くも自己免疫疾患で、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊されることで発病します。

指示エネルギー(カロリー)量
 主治医から指示される1日の摂取カロリーのこと。その人の身長や体重、性別、身体活動状況、年齢などを総合的に判断して決められます。糖尿病治療の基本である食事療法は、この指示エネルギー量で、栄養バランスのよい食事を続けることです。

1日に摂取するカロリーの求め方
 
標準体重 × 体重1kgあたりに必要なカロリー 摂取すべきカロリー
    標準体重:身長 (m) × 身長 (m) × 22
    体重1kgあたりに必要なカロリー:
     体重や活動量が標準的な成人;25〜30kcal
    肥満者や高齢者;25kcal 以下
    若年者や活動量が多い成人;30kcal 以上
例)身長160cm で体重 65kg、事務職の人の場合、標準体重は1.6×1.6×22 で約 56kg。
体重1kg あたりに必要なカロリーを 25kcal とすると、1日に摂取すべきカロリーは、
56×25で1,400kcal となります。

指示蛋白質量
 腎症が発症すると、その進行にあわせて蛋白質の摂取量を制限する必要があります。1日にどのくらい蛋白質をとってよいか、主治医に指示される量を指示蛋白質量といいます。

脂質
 脂肪やコレステロールなどのこと。炭水化物、蛋白質と並び三大栄養素の一つ。食べ物として摂取する脂質の大部分は脂肪です。脂肪のエネルギーは1gあたり約9kcalと、炭水化物や蛋白質(1g約4kcal)の2倍以上です。このため脂質食品を食べすぎると、エネルギー(カロリー)オーバーになりやすくなります。食べ物では、肉の脂身や調理油、マヨネーズ、バター、マーガリン、ドレッシング、ラードなどの油脂類、ピーナッツやアーモンドなどに多く含まれています。

 脂質異常症の診断基準と管理目標 
LDL-コレステロール(LDL-C)120〜139mg/dL境界域高LDL-コレステロール血症
140mg/dL以上高LDL-コレステロール血症
HDL-コレステロール(HDL-C)40mg/dL未満低HDL-コレステロール血症
トリグリセライド(中性脂肪。TG)150mg/dL以上高トリグリセライド血症
治療方針の原則管理区分*1脂質管理目標値(mg/dL)
LDL-CHDL-CTGnonHDL-C*2
一次予防(冠動脈疾患にならないための治療)
まず生活習慣の改善を行った後、薬物療法の適用を考慮する
カテゴリーI160未満40以上150未満190未満
カテゴリーII140未満170未満
カテゴリーIII120未満150未満
二次予防(冠動脈疾患の再発・悪化を防ぐための治療)
生活習慣の是正とともに、薬物療法を考慮する
冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症)の既往100未満130未満
*1一次予防の管理区分がカテゴリーI〜IIIのどれに該当するかは、年齢や性、喫煙の有無、脂質異常症以外の病気といった危険因子を考慮して決められます。
ただし、糖尿病、慢性腎臓病、脳梗塞などがあれば、他の危険因子の有無にかかわらず、カテゴリーIIIです。
*2nonHDL-Cは[総コレステロール−HDL-コレステロール]で計算します。
〔日本動脈硬化学会『動脈硬化性疾患防ガイドライン2012年版』より〕
脂質異常症
 血液中の脂質「血清脂質」の量や質に異常がある状態。“悪玉”コレステロールが多い「高LDL-コレステロール血症」、“善玉”コレステロールが少ない「低HDL-コレステロール血症」、中性脂肪(トリグリセライド)が多い「高中性脂肪血症」の総称です。
 糖尿病の人は脂質異常症を併発していることが多く、とくに中性脂肪が高くなりがちです。糖尿病と脂質異常症を併発していると、合併症(とくに動脈硬化)の進行が早まるので、より積極的な血清脂質の正常化が必要です。
 なお、脂質異常症は以前、「高脂血症」と呼ばれていました。しかし HDL-コレステロールは高いほうがよいので、高脂血症という病名では紛らわしいことと、血清脂質の量的な異常だけでなく質的な異常(コレステロールのサイズや酸化しやすさなど)の関係もあるので、脂質異常症と呼ぶようになっています。ただし、LDL-コレステロールや中性脂肪が高い状態をさす意味では、今でも高脂血症という言葉が使われます。

歯周病
 歯を支えている歯肉や歯槽骨〈しそうこつ〉などの歯周組織の病気。歯と歯肉の間に付着した歯垢〈しこう〉に繁殖する細菌が原因で、歯周組織に炎症が起きます。歯肉が赤く腫れて出血したりしますが、虫歯と違って痛みなどがないため見過ごされやすいものです。進行すると、歯がグラグラになり、抜け落ちます。高血糖状態では、口の中の細菌が増えやすく、歯周病や虫歯になりやすいので注意が必要です。

シスタチンC
 血液中の蛋白質の一種で最近、腎臓の機能を調べる検査に使われるようになってきました。以前から腎臓の検査としてクレアチニンが使われていますが、クレアチニン値は筋肉の量や年齢の影響を受けやすく誤差が大きいという問題があります。シスタチンCはその影響が少なく、腎臓の機能をより正確に知ることができます。

歯槽膿漏
 進行した歯周病で現れることのある症状。歯肉から膿が漏れ出し、口臭の原因になります。

持続型インスリン インスリン製剤持効型溶解インスリン

シックデイ
 糖尿病の人が糖尿病以外のかぜや下痢、その他の病気にかかったときのこと。血糖値が乱れやすいので、慎重に対処する必要があります。とくに薬物療法をしている場合は、薬の量を調節しなければいけないこともあるので、あらかじめ主治医の説明を受けておいたり、どうすればよいかわからないときは主治医に連絡して指示を受けます。

死の四重奏
 上半身肥満、耐糖異常(糖尿病備群)、高中性脂肪血症、高血圧は併発することが多く、それらが互いに悪影響を及ぼしあって動脈硬化を加速度的に進行させ、虚血性心疾患などを起こすという、かつて提唱された考え方。現在のメタボリックシンドロームの概念の一つ。

脂肪
 体内でおもにエネルギーの貯蔵庫としての役割を果たしている物質。脂肪が分解されると脂肪酸になり、それが血液中に放出されて細胞のエネルギー源になります。一方、体内の脂肪からは、さまざまな生理活性物質(サイトカイン)が分泌されています。それらのサイトカイン「アディポサイトカイン」のいくつかは、インスリン抵抗性を高めたり糖尿病の合併症や動脈硬化を促す働きをしています。
 体内の脂肪は、炭水化物や脂質食品を摂取することで作られます。これらの食品を食べすぎると肥満の原因となります。脂肪が蓄積している部位によって、皮下脂肪と内臓脂肪の二つに大別できますが、糖尿病をはじめとする生活習慣病により関係が深いのは、内臓脂肪のほうです。

脂肪肝
 肝臓に脂肪が大量に蓄積した状態。肥満やアルコール摂取などによって起こります。2型糖尿病の人は、高率に脂肪肝を併発しています。近年、アルコールをそれほど飲まない人にもみられる脂肪肝「非アルコール性脂肪性肝疾患」が増加しています。

脂肪酸
 脂肪を成している化合物。脂肪酸はその造によって、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸に分けられ、不飽和脂肪酸はさらに、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分類されます。一般的に動物性脂肪(魚油を除く)は飽和脂肪酸が多く常温で固形、植物性脂肪は不飽和脂肪酸が多く常温で液体です。
 飽和脂肪酸は血清脂質を上昇させて動脈硬化を促すのに対し、多価不飽和脂肪酸は血清脂質を低下させたり、血小板の凝集を抑えて血栓(血液の塊)ができにくくする作用があります。

シャルコー関節症 足病変

終末糖化産物
 蛋白質は糖と結び付いて反応すると、いくつかの段階を経て性質が変化します。もうそれ以上変化しなくなった状態を終末糖化産物(AGEs)といい、例えば血糖指標の一つのグリコアルブミンはAGEsの前駆物質です。糖尿病ではAGEsができやすく、体内にたくさん蓄積したり受容体(RAGE)に結合することが合併症の主要原因の一つです。なお、AGEsは体内で作られるだけでなく、食べ物として取り込まれる経路もあります。高温で調理したものほどAGEsが多くなります。

硝子体〈しょうしたい〉
 眼球の内部の大半を占めている、無色透明でゼリー状の組織。眼球の形状を内部から支えて維持しています。糖尿病性網膜症では、網膜から硝子体側へ伸びてきた新生血管が網膜と硝子体を結び付けるので、硝子体の収縮をきっかけに網膜剥離が起きやすくなります。

硝子体手術
 牽引性網膜剥離や硝子体出血の治療、および、視力にとって重要な黄斑〈おうはん〉部を守るために行われる手術。

硝子体出血
 網膜の血管や硝子体内に伸びた新生血管が破れて出血し、血液が硝子体内に広がった状態。瞳孔から眼球に入った光が網膜に届かなくなるので視覚が障害されます。

少糖類 糖類

小児・若年者糖尿病
 一般には、成人よりも小児・若年者に発病することが多い1型糖尿病のことを指します。からだの成長にあわせて食事やインスリン注射の量を調節する必要があり、心理的な問題も多いことなどから、よりきめ細かな管理が必要です。なお、小児・若年期発病でも2型糖尿病の場合もあります。

小児慢性特定疾患
 厚生労働省が難病対策として指定している特定疾患のうち、小児期に起こる病気。治療費の自己負担分が公費で助成されます。糖尿病では18歳未満の患児が対象となります。なお、所得によって自己負担額の上限が異なります。

上半身肥満
 上半身の脂肪がめだつ肥満。リンゴ型肥満、男性型肥満とも呼ばれています。上半身肥満は、生活習慣病との関わりが深い「内臓脂肪型肥満」とだいたい一致します。上半身肥満の反対の下半身の脂肪がめだつ肥満は、下半身肥満、洋ナシ型肥満、女性型肥満と呼ばれます。

食後過血糖
 食後血糖値が高いこと。2型糖尿病や境界型(糖尿病備群)の人で、インスリンの基礎分泌はある程度保たれているため空腹時血糖値は正常近くにコントロールされていても、インスリンの追加分泌が不足していたり、血糖値上昇に対する反応が鈍くて追加分泌のタイミングが遅れると、食後過血糖になります。

食後過血糖改善薬 α-グルコシダーゼ阻害薬インクレチン関連薬速効型インスリン分泌促進薬

食後血糖上昇指数 グリセミックインデックス

食後血糖値
 食後1、2時間以内の血糖値。糖尿病の発病前、境界型(糖尿病備群)の段階では、空腹時血糖値は正常範囲内でも、食後の血糖値が高くなりやすいものです。動脈硬化防の観点からは、食後血糖値が糖尿病とは診断されない程度の高さでも、積極的に管理していくことが望まれます。

食事療法
 糖尿病治療の基礎。その人の体格や活動量、年齢にあったエネルギー量の中で、必要な栄養素を過不足なくとるのがポイントです。糖尿病でない人の健康食としても勧められます。

食品交換表
 「糖尿病食事療法のための食品交換表」のこと。正しい食事療法を簡単に進められるように工夫されたテキストです。マスターすれば、バリエーションに富んだ献立を手軽に楽しめます。姉妹書に「糖尿病性腎症の食品交換」があり、こちらは合併症の腎症がある人のためのテキストです。

食物繊維
 植物性の食べ物に含まれている繊維質。消化吸収されずエネルギーにはなりませんが、消化管活動を助けて便秘を防ぐほか、血清脂質や血糖値(とくに食後血糖値)の上昇をゆるやかにする作用があります。野菜や穀物(精製度の高くないもの)、海藻などに多く含まれています。

自律神経
 末梢の神経は、運動神経、感覚神経、自律神経に分けられます。そのうち自律神経は、体温や血圧、心拍を調節したり、胃腸などの消化器の働きをコントロールするなど、その時々の状況にあわせて無意識のうちに、からだをつねにベストの状態に制御するための神経です。

自律神経障害
 糖尿病の合併症の神経障害で、自律神経の働きが障害されること。起立性低血圧(立ちくらみ)が起きやすい、下痢や便秘を繰り返す、血糖値が不規則に変化する、勃起障害、排尿に時間がかかる、低血糖になっても症状が現れずにいきなり意識障害に至る、など、多くの影響を及ぼします。

心筋梗塞 虚血性心疾患

神経因性膀胱
 膀胱は尿を溜める臓器です。膀胱内の尿がいっぱいになると、尿意を催しますが、これには神経による情報伝達が深く関わっています。糖尿病性神経障害があると、神経の情報伝達がうまくいかず、膀胱内に尿が溜まっても尿意を催さなくなります。その結果、膀胱が常時膨らんだ状態になり膀胱の収縮力も衰えてきて、排尿時に尿が勢いよく出ず、排尿に時間がかかるようになり、1リットル以上の尿で充満した無緊張膀胱としてみられます。また、尿路感染症も起きやすくなります。

神経障害
 糖尿病の三大合併症の一つ。神経は、脳と脊髄〈せきずい〉成される中枢神経と、そこからからだの隅々へと広がっている末梢神経に分けられますが、糖尿病で障害されるのは末梢神経のほうです。初期の自覚症状として比較的多いのは、末梢神経のうちの感覚神経の障害による足底、手足、指先のしびれです。神経障害の原因は、糖尿病の他の合併症と同様に、高血糖による血管障害のほか、細胞内でブドウ糖を利用する過程に異常が起きる「ポリオール代謝異常」があります。

神経伝導速度測定
 神経障害の程度を調べる検査。手や足に電極をつけて微量の電気を流して神経を刺激し、神経の中を興奮が伝わる速さを測ります。

人工透析 透析療法

診察室血圧
 医療機関への受診時に測る「医療環境下血圧」のこと。通常は患者さん自身が日常生活下で測定する「家庭血圧」に比べて若干高くなります。

 
 
腎症
 糖尿病の三大合併症の一つ。腎臓は血液中の老廃物を濾〈ろ〉過し尿として排泄する臓器ですが、この機は腎臓内の糸球体という細い血管の集合体で行われています。高血糖による細小血管障害で糸球体の血管が障害されると、濾過機能は徐々に低下し、不要なものが血液中に溜まったり、逆に必要なものが排泄されてしまいます。また、腎臓は血圧にも関係しているので、その働きが障害されると高血圧が起きてきます。
 腎症が進行すると、尿に蛋白が排泄されるようになり、やがて腎不全になって透析療法が必要になります。現在、国内で毎年1万数千人が糖尿病性腎症により新たに透析療法を始めており、これは透析療法が必要になる原因の第一位です。
 腎症の自覚症状としては、むくみや疲れやすい、肌のかゆみなどがありますが、これらは腎症がかなり進行してから現れるもので、透析療法が必要な段階が近いといえます。腎症の進行を抑えるには、血糖コントロールとともに、血圧管理と蛋白質の摂取量を抑えることが大切です。

腎症の病期
 糖尿病性腎症は、進行レベルにより、腎症前期、早期腎症期、顕性腎症期、腎不全期、透析療法期に分けられます。そして、病期によって治療も変わります。初めのうちは血糖と血圧の管理が中心ですが、腎症が進行するに従い、蛋白質や食塩の摂取量を厳しく制限したり、水分やカリウムの摂取も管理する必要がでてきます。

新生血管
 眼底の網膜にはもともとは存在しない、新しく伸びてくる血管。新生血管は大変もろく、破れて出血しやすい血管です。糖尿病性網膜症による視覚障害は、この新生血管が網膜や硝子体〈しょうしたい〉に伸びてきて、そこからの出血や浸出物などが網膜に悪影響を及ぼす結果、生じます。

腎性高血圧
 腎臓は血液をきれにいするだけでなく、血圧を調整する役目も担っています。腎臓の機障害の影響で生じる高血圧を腎性高血圧といい、糖尿病性腎症でも起こります。

腎性糖尿
 血糖値は正常なのに尿糖が出る状態で、糖尿病ではありませんので治療の必要はありません。腎臓の糖排泄閾値(血液中のブドウ糖が尿中に排泄されるようになる血糖値の高さ)が低い場合に起こるものです。空腹状態でも尿糖陽性になる人もいます。なお、尿糖が出るのは、通常は血糖値が約170mg/dL以上のときです。

腎臓
 腰のあたりの背中側に左右に一つずつ、計二つある臓器です。血液中の老廃物を濾〈ろ〉過して尿として排泄する以外に、血圧調節に関係するレニンというホルモンを分泌したり、赤血球の産生を促すエリスロポエチンを作ったり、骨の代謝に重要なビタミンD を活性化する役割も担っています。これら腎臓の働きが低下してくると、高血圧や貧血になったり、骨がもろくなったりします。

新陳代謝 代謝

心電図
 心臓の拍動を電気信号でとらえ、それを波形で示する機械。心臓に病気があると、心電図に異常が現れます。

シンドロームX
 インスリン抵抗性による高インスリン血症は、耐糖異常(糖尿病備群)、高脂血症などを引き起こし、肥満や高尿酸血症、加齢、運動不足とともに互いに悪影響を及ぼしあって動脈硬化を加速度的に進行させ、虚血性心疾患などを起こすという、リーブン(米国)により提唱された考え方。現在のメタボリックシンドロームの概念の一つ。

腎不全
 腎臓の機がかなり低下した状態。厳しい食事制限・水分摂取制限などで治療を続けますが、さらに腎機が低下すると、血液中に老廃物が溜まって尿毒症となり、内臓や神経、皮膚、精神面などにいろいろな悪影響が現れるようになります。必要に応じて、透析療法を始めます。

[監修] 後藤 由夫 先生 (東北大学名誉教授)

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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