糖尿病 男の悩み ―糖尿病と性機能低下―
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糖尿病3分間ラーニング
糖尿病専門医の立場から

2. 糖尿病で性機能障害になる人、ならない人

清野 弘明

C. 正常な勃起現象には、血管と神経の健康が欠かせない

a. 勃起はどのように起きるのか

 さて、糖尿病によるEDの原因を理解するために、ここでまず、勃起という現象がどのように起こるのかを、ざっとお話ししましょう。

 「海綿体」という言葉をお聞きになったことはありませんでしょうか。陰茎の内部の大半を占める、ワタのような組織です。

 目や耳などを通じて、視覚、聴覚、あるいは触感などから性的な刺激が加わると、その刺激は脳から陰茎へと神経を伝わっていきます。すると、自律神経の働きで、海綿体に血液を送っている動脈が広がり、海綿体に大量の血液が入っていきます。血液が入ってきた海綿体は、小さくつぶれていたワタが水を吸って膨らむように、膨脹します。これが、勃起の起こり始めです。

 海綿体が膨脹し始めると、海綿体内部の血液を心臓に戻す静脈が、膨脹した海綿体に抑え込まれて、血液が流れなくなります。つまり、陰茎内の海綿体に、血液が溜め込まれた状態になるわけです。

 このようにして勃起した状態が維持されます。

b. 血管と神経が障害を受けると…

 勃起のメカニズムを簡単にご説明しました。

 もうお気付きかもしれませんが、勃起がスムーズに起こり、かつ、その状態を維持するには、神経と血管がしっかり働くことが大切です。性的刺激が加わっても神経障害が起きていると、陰茎の動脈が広がりません。また、神経は健康な状態でも、肝心の血管が障害されていると、動脈が十分に広がらず、海綿体への血液供給量は増加しません。

 つまり、勃起という現象がスムーズに起こるには、神経と血管がともに健康でないといけないということです。


勃起能力の維持には、血管と神経がともに健康であることが大切です

 今回の話の最初に、「糖尿病は『合併症の病気』と言われ、その合併症は、血管と神経を中心に起こる」と言いましたね。陰茎は、まさにその血管と神経が豊富な部位です。それだけ合併症が現れやすいわけです。

©清野 弘明

もくじ

2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した
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