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2013年12月19日
寒い冬のヒートショックに注意 入浴中の急死は夏の11倍に増加
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- 糖尿病合併症
東京都健康長寿医療センター研究所(東京都老人総合研究所)はこれからの寒い季節に向けて、「寒い冬には入浴中の急死が増える。住居内の温度管理によりヒートショックを予防することが重要」との提言を発表した。
入浴中の急激な血圧変動 年間1万7,000人が入浴中急死
「ヒートショック」とは、温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動することなどが原因となり起こる健康被害のこと。失神や心筋梗塞、不整脈、脳梗塞を起こすことがある。入浴時に急激な血圧低下により失神し、溺れて死亡するケースは、入浴時のヒートショックの典型的な例だという。
同研究所調査によると、2011年には約1万7,000人もの人々がヒートショックに関連した入浴中急死をしたとみられ、その数は交通事故による死亡者数(4611人)を大きく上回る。特に外気温が低くなる12月から1月にかけて、入浴中に心肺機能停止となる人が、もっとも少ない8月のおよそ11倍に急増するという。
ヒートショックは体全体が露出する入浴時に多く発生する。住宅内で暖房をしていない脱衣室や浴室では、室温が10度以下になることが珍しくない。寒い脱衣室で衣服を脱ぐと、急激に体表面全体の温度が10度程度下がる。すると寒冷刺激によって血圧が急激に上がる。
この血圧の急上昇が、心筋梗塞、脳卒中を起こす原因のひとつとされている。さらに、一度急上昇した血圧は、浴槽の暖かい湯につかることによる血管の拡張で、反対に急激に低下する。この急激な血圧低下が失神を起こす原因となる。
ヒートショックの危険性が高い人として、高齢者や、高血圧、糖尿病、脂質異常症をもっている人を挙げている。
ヒートショック対策 予防のためにできること
ヒートショックへの対策として重要なのは、寒い季節、脱衣所や浴室を温かくすることだという。また、トイレも体を露出させる場所なので、温かく保つと効果的だ。
・脱衣所や浴室、トイレへの暖房器具設置や断熱改修冷え込みやすい脱衣所や浴室、トイレを暖房器具で温めることは、効果的なヒートショック対策となる。 加えて、窓まわりは熱が逃げやすいため、内窓を設置するなどの断熱改修で、外気温の影響を最少限に抑えることができる。浴室をユニットバスへ改修することでも断熱性は向上する。 ・シャワーを活用したお湯はり
シャワーを活用した浴槽へのお湯はりは効果的。高い位置に設置したシャワーから浴槽へお温をはることで、浴室全体を温めることができる。 ・夕食前・日没前の入浴
夕食を食べる前、日没前に入浴することも良い対策法です。日中は日没後に比べ、外気温が比較的高く、脱衣所や浴室がそれほど冷え込まないことに加え、人の生理機能が高いうちに入浴することで、温度差への適応がしやすくなる。 ・食事直後・飲酒時の入浴を控える
食後1時間以内や飲酒時は、血圧が下がりやすくなるため、入浴を控えた方がよい。 ・湯温設定41℃以下
お湯の温度を41℃以下にし、暖めすぎないようにすると、急激な血圧低下を防げる。 ・ひとりでの入浴を控える
可能な場合は、家族による適切な見守りや、公衆浴場、日帰り温泉等を活用し、ひとりでの入浴を控えるといった方法も有効。
部屋全体が暖まっていると血圧が安定化しやすい
また同研究所では、東京と埼玉で築20年以上の戸建て住宅に住む59〜85歳の高齢者を対象に、室温や血圧の測定、健康に関するヒアリングなどを行った。
熱のおよそ半分は窓から逃げる いますぐできる断熱方法
同研究所は居室を効果的に断熱するためには、熱の逃げやすい場所を知る必要があるという。冬場の居室では、熱の48%が窓から、外壁から19%が、床から10%が逃げるとされている。これらの熱を逃がさないよう、断熱性能が高い窓ガラスを使用したり、断熱シート・フィルムを貼るなどの工夫が大事と呼びかけている。
「暖房時にカーテンやブラインドを閉める」、「すき間テープ等で、窓からのすき間風を防ぐ」といった対策は、断熱改修や断熱フィルムなどに比べ効果は限定的だが、手軽にいますぐ取り組むことができる。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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