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2013年04月15日

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糖尿病ネットワーク

糖尿病患者・医療スタッフともに「眼の状態」を把握していない

 糖尿病による眼の病気、とくに糖尿病網膜症の怖さは、失明の危機に直面するまで、自覚症状がほとんど現れないこと。糖尿病から眼を守るためには、継続的な指導と定期的な検査が大切です。メルマガ会員に向け定期的に行っている糖尿病ネットワーク・アンケートでは今回、「糖尿病網膜症の知識と管理」に関するアンケート調査を実施。その結果報告を公開いたしました(有効回答数は、医療スタッフ125名、糖尿病患者さん500名)。
視覚障害者5人に1人は糖尿病による失明

 糖尿病の合併症は、高血糖によって血管が傷めつけられることが原因です。眼の網膜には高血糖の影響を受けやすい細い血管が張り巡らされているため、血糖コントロールがうまくできていないと眼への合併症が出てきてしまうのです。糖尿病による視覚障害の最大の原因は「網膜症」。単純網膜症、増殖前網膜症、増殖網膜症という順番でほとんど自覚のないまま進行し、網膜や硝子体内に出血が広がってくると視力が低下してきます。ダメージが大きいと失明にも至ることがありますが、失明しないまでも社会生活に支障をきたして障害認定を受ける方は、視覚障害者の約5 分の1 にも及ぶと言われています。このように、自覚症状として現れにくい、眼の合併症は定期的な検査を受けることで早期発見につなげることが大切です。

医療スタッフの4割、
患者さんの網膜症有無「把握していない」
医療スタッフに聞きました

 アンケートでは、医療スタッフと糖尿病患者さんの網膜症予防に対する意識や対策の現状を比較してみました。まず、網膜症に関する指導を「患者さん全員へ行っている」と回答したのは医療スタッフの6割弱。同時に、定期的な眼科受診を勧めているかとの問いについては、「全員へ勧めている」としたのは68%でした。しかし、通院する患者さんの網膜症の有無を「把握していない」と回答した方は40%と、把握率の低さが浮かび上がりました。

 把握の手段のひとつとなる眼科受診の記録について医療スタッフは、「記録されたものをみることはない」が37%と最も多く、「糖尿病連携手帳(眼底検査欄)で確認」(日本糖尿病協会)が24%、「糖尿病眼手帳で確認」(日本糖尿病眼学会)が23%とのことでした。糖尿病内科と眼科を繋ぐ記録手段として一般的な「糖尿病連携手帳」や「糖尿病眼手帳」は、医療スタッフ、患者さん共に認知率、活用率が低く、今後のさらなる普及が望まれます。

患者さんの半数、眼科の受診記録
「とくに記録なし」
糖尿病患者さんに聞きました

 一方、患者さんは、回答者の85%が眼科を受診して定期的に検査を受けていました。「網膜症」に対する認知率は90%と非常に高値でしたが、糖尿病の通院先から網膜症の予防管理や定期検査についての指導を定期的に受けている人は半数。また、眼科受診の記録については、「わからない、とくに記録してもらっていない」が46%と最も多く、「自分で付けている」が15%、「糖尿病眼手帳に記録」が13%、「糖尿病連携手帳に記録」が12%と、自身の状態を知らない人の多さが目立ちました。患者さんが記録の有無を知らなくても、医療機関同士が連携し情報共有されていればよいですが、連携構築がまだ進んでいない、眼科受診の勧奨を行いたいが手がまわらない等々課題の声が、医療スタッフの自由記述でも多くみられました。

 さらに、患者さんの自由記述では、「糖尿病を知るきっかけが眼底出血。突然視力がなくなり、約1カ月間、出血が引くまで不安だった」、「知人が網膜症で失明。自分がなったらと思うと恐ろしい」、「予防のために眼科受診を勧めるだけでなく、糖尿病と眼の病気についてもっと啓発をしてほしい」等々、知らないうちに進行することへの不安の声が多く寄せられました。

ネットワークアンケート36「糖尿病網膜症の知識と管理」調査結果

糖尿病ネットワークアンケートのバックナンバー
糖尿病情報Box&Net.No36(掲載誌)

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