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2012年08月04日
偽造医薬品のネット販売が増加 国際的な取締り強化へ
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インターネット経由で購入できる医薬品の購入の多くは、偽物や虚偽の表示があったり、偽装・偽造された医薬品であるおそれがある。医薬品の偽造販売は、これまでに124ヵ国で確認されているという。
日本の製薬企業が行った調査で、違法に医薬品を販売する日本語のウェブサイトは、オンライン上に600以上あると指摘された。2011年に日本の税関が発見した違法医薬品は500以上であり、8万錠近くが押収されたという。その大部分はインターネットで購入されたものだった。
世界保健機関(WHO)によると、実際の住所を表示していない違法なインターネットサイトで購入された医薬品の50%以上が偽造医薬品だった。
全米薬剤師審議会の2012年の報告書と2008年〜2012年のデータによると、閲覧された約9,000のウェブサイトの96%が法律や安全基準を順守しておらず、消費者に重大な危険をもたらす可能性があるという。
カリフォルニア州立大学サンディエゴ校の研究者が収集したデータによると、大規模な違法オンライン医薬品販売業者は、毎月100万ドル〜250万ドルを売り上げる。
米国税関国境警備局が2012年にまとめた報告書によると、商品の運送に国際郵便や宅配便が使われることが増えたことを背景に、偽造製品を販売するウェブサイトは増え続けている。偽造医薬品の至急貨物や郵便施設での押収は2007年から84%増加した。
欧州委員会が2011年に公表した報告書によると、インターネットでの購入が増えたことが原因で、EU税関が通関を阻止した貨物の数は2010年から倍増している。輸入禁止となった郵便物に封入されていた品目の69%が医薬品だという。
国際刑事警察機構(インターポール)は2011年9月、インターネット上で販売されている偽造医薬品や違法医薬品を押収する活動を展開した。240万個(630万ドル相当)の有害医薬品を押収し、違法行為を行っていた1万3,500のウェブサイトが閉鎖された。
違法貨物の発送元として特定された国は48ヵ国にのぼり、押収された違法貨物には抗生物質、ステロイド、抗がん剤、抗うつ剤、抗てんかん錠剤、減量薬、栄養補助食品などが含まれていたという。
「インターネット販売と安全な医薬品アクセス」に関するIFPMA/PhRMA/EFPIA/JPMAの共同声明について(日本製薬工業協会)