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2012年07月13日
熱中症はこうして防ぐ 早い段階で暑さに対策
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夏の強い日差しや気温の上昇により、熱中症などの体の不調が起こりやすくなる。熱中症は、高温の環境下で発症する生体障害の総称。気温の上がる夏に起こりやすいが、温度だけでなく湿度も影響する。
特に熱中症にかかりやすいのは高齢者、糖尿病など慢性疾患のある人だ。特に糖尿病の人は、高血糖の状態が続くと、神経障害や皮膚の血流障害が起こりやすいので注意が必要だ。熱中症はちょっとした工夫で予防できる。
水分をこまめに補給することが、もっとも重要だ。発汗で血液量が低下すると、発汗、皮膚血流などの体温調節能が低下する。汗と尿の量がいつもより少なくなったり、尿の色がいつもより濃くなったら要注意。
運動中や運動後に必要な水分を摂取するだけでなく、運動の前にも水分補給をこころがけたい。「喉が渇く」のは「体内の水分が不足している」というサイン。暑くて湿度が高い環境では、喉の渇きを感じてから水分を補給しても間にあわない場合がある。
運動中や運動後に必要な水分を摂取するだけでなく、運動の前にも水分補給をこころがけたい。「喉が渇く」のは「体内の水分が不足している」というサイン。暑くて湿度が高い環境では、喉の渇きを感じてから水分を補給しても間にあわない場合がある。
衣服による防暑対策の基本は、衣服の中や体の表面に風を通し、体から出る熱と汗をできるだけ速く放散すること。衣服の素材は、通気性のよい麻や綿、近年普及している吸水性・速乾性の高い素材を選ぶとよい。
衣服により日射の侵入を防ぐこともできる。戸外では皮膚の露出を抑え、日傘やつば広の帽子などで日射を遮断しよう。冷感タオルなどで首もとを冷やすなど、小物の利用も有効だ。
衣服により日射の侵入を防ぐこともできる。戸外では皮膚の露出を抑え、日傘やつば広の帽子などで日射を遮断しよう。冷感タオルなどで首もとを冷やすなど、小物の利用も有効だ。
高温多湿時の運動は、軽めに抑えることをこころがける。運動が強いほど、体の発熱量は上昇し、発汗量も増える。体調によっては、運動量を減らし、休息や水分補給を入れたい。
運動する時間や場所にも工夫がいる。気温が上がりにくい朝や夕方に運動できるようスケジュールを調整しよう。
運動する時間や場所にも工夫がいる。気温が上がりにくい朝や夕方に運動できるようスケジュールを調整しよう。
室内に風を通すことによって、発生した熱を除去することができる。窓にすだれをかけて日差しをやわらげたり、建物のまわりに散水し気化熱で気温を下げることもできる。工夫しても室温を下げるのが難しいと感じたら、無理せず冷房を使おう。
日本気象協会が公開している 熱中症指数 ※地図をクリックすると地域の 熱中症指数を見ることができる。 |
高齢者や糖尿病神経障害のある人は発汗が乏しくなり、体温調節が上手にできなくなるおれそがある。体感だけでなく、室温計なども活用し、気温が目に見えるようにしよう。気温や湿度については、テレビ・ラジオやインターネットの情報サイトなどでもチェックできる。梅雨明け時など急激な高温が予想されるときには特に注意したい。
医師やスポーツの専門家などで作る「日本生気象学会」は熱中症の予防ガイドラインをまとめた。それによると、2011年は猛暑日が前年に比べ少なかったことや、同学会や環境省をはじめとする呼びかけもあり、熱中症を発症した搬送者は前年に比べ減った。それでも熱中症により緊急搬送をされた数は4万人近くに上った。
同学会は、地域で公表されている熱中症指数「WBGT」に対する注意を喚起している。WBGT(湿球黒球温度)とは、暑さに関する環境因子のうち、湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標。
また、環境省の熱中症予防情報サイトでは6月1日から9月30日の期間、全国約150都市におけるWBGT予測を提供している。希望する団体には熱中症予防情報をメールなどで提供している。
日常生活における熱中症予防指針(日本生気象学会)熱中症予防情報サイト(環境省) 関連情報
夏の異常気象 気温が1度上昇すると死亡リスクが増加(糖尿病NET)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所