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2012年02月17日

糖尿病の診療点数はここが変わる 2012年度診療報酬改定

 2012年度診療報酬改定は、中央社会保険医療協議会(中医協)が2月10日に厚生労働相に答申し、方向性が固まった。

 2012年度診療報酬改定では、初診料や再診料など診療にかかる基本料金は原則変わらないが、在宅医療に1500億円、病院勤務医などの医療従事者の負担軽減などに1200億円を重点配分する結果、利用者の負担はわずかに増える。一方で、薬代が6%程度下がるため、医療費負担全体でみれば、ほぼ横ばいになる見込み。

 糖尿病に関連する項目は次の通り――

  • 糖尿病透析予防指導の評価
     透析患者数が増加している中、透析導入患者の原疾患は糖尿病性腎症が最も多くなっている。糖尿病患者に対し、外来において、医師と看護師又は保健師、管理栄養士等が連携して、重点的な医学管理を行うことについて評価を行い糖尿病患者の透析移行の予防を図る。

    (新)糖尿病透析予防指導管理料 350点(月1回)
     ヘモグロビンA1c(HbA1c)が6.1%(JDS値)以上、6.5%(国際標準値)以上又は内服薬やインスリン製剤を使用している外来糖尿病患者であって、糖尿病性腎症第2期以上の患者(透析療法を行っている者を除く)に対し、透析予防診療チームが透析予防に係る指導管理を行った場合に算定される。
    [施設基準]
    (1)以下から構成される透析予防診療チームが設置されていること。ア糖尿病指導の経験を有する専任の医師
    ア 糖尿病指導の経験を有する専任の医師
    イ 糖尿病指導の経験を有する専任の看護師又は保健師
    ウ 糖尿病指導の経験を有する専任の管理栄養士
    (2)糖尿病教室等を実施していること。
    (3)1年間に当該指導管理料を算定した患者の人数状態の変化等について
    (4)年間に当該指導管理料を算定した患者の人数、状態の変化等について報告を行うこと。

  • 在宅自己注射指導管理
    (新)在宅妊娠糖尿病患者指導管理料 150点
     妊娠中の糖尿病患者で、入院中の患者以外の患者に対して、周産期における合併症の軽減のために適切な指導管理を行った場合に算定する。

  • 間歇注入シリンジポンプ加算
     インスリンポンプを用いてインスリンを持続的に注入する持続皮下インスリン注入(CSII)療法は、厳格な血糖コントロールを必要とする患者にとって効果的な治療法となる。点数が1500点からプログラム付きシリンジポンプを使用する場合は2500点に引き上げられる。
    1 プログラム付きシリンジポンプ 2500点
    2 1以外のシリンジポンプ 1500点

診療報酬
 公的医療保険を使って医師にかかったときの医療行為に支払われる公定価格のこと。内容ごとに細かく点数化されており、1点10円で計算される。治療や検査などの診療行為や調剤などに対し、患者は原則3割を負担し、患者が加入する医療保険が残りを医療機関に支払う。
 診療報酬は、厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会の審議を経て、ほぼ2年に1度のペースで改定されている。

診療報酬情報提供サービス
平成24年度診療報酬改定について(厚生労働省)
第221回中央社会保険医療協議会総会(厚生労働省)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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