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2009年08月19日
【新型インフルエンザ】 秋以降の流行にそなえて対策支援
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4月にメキシコから始まった新型インフルエンザ(H1N1)の感染が世界的に急増している。日本や韓国でも地域での感染が増えており、死亡者も発生した。
新型インフルエンザの死亡率は、医療体制が整備されていない途上国で高いとみられていたが、先進国でもそれほど差がないとも報告されている。日本を含む医療水準の高い国でも秋冬の大流行に備え、あらためて注意する必要がある。
新型インフルエンザの死亡率は、医療体制が整備されていない途上国で高いとみられていたが、先進国でもそれほど差がないとも報告されている。日本を含む医療水準の高い国でも秋冬の大流行に備え、あらためて注意する必要がある。
基礎疾患のある人は重症化する可能性
国立感染症研究所は全国の医療機関を受診した患者数を週ごとに公表している。8月3日から9日の1週間にインフルエンザで受診した患者数の推計は約6万人。5月4日から8月9日までに報告されたウイルスでは、新型インフルエンザがもっとも多く3355件、割合にすると79%になる。
1医療機関当りの平均は0.99人で、1人を超えると「流行」とされる。都道府県別では沖縄(20.36人)、奈良(1.85)、大阪(1.80)、東京(1.68)、長崎(1.50)、長野(1.44)が平均1人を超え流行期に入った。
インフルエンザは、一般的には子供と65歳以上の高齢者、肺疾患や糖尿病などの基礎疾患があり、十分な治療を受けていない人が重症化する危険が高い。これに対し今回の新型インフルエンザの場合は、国内では若い成人患者が相対的に多く、高齢者で発病または重症化した割合は低かった。一方で、海外では基礎疾患をもつ人や妊婦、肥満者らの重症化した例が報告されてい秋冬に向けた新型インフルエンザ対策
通常のインフルエンザ(季節性インフルエンザ)は、毎年秋以降に流行する。今年は新型インフルエンザが発生しており、秋以降には季節性インフルエンザと新型インフルエンザが重なって流行するおそれがある。新型インフルエンザを予防するためのワクチンの早期接種のための環境整備が急がれているが、現在のところは季節性インフルエンザのワクチンしか存在しない。そのため、ウイルスの感染厚生労働省が公開しているビデオ(YouTube)
厚生労働省はインフルエンザに感染している可能性がある人が、医療機関を受診する方法や、他の人にうつさないようにしながら自宅療養する方法について解説してい- 感染した患者は入院措置ではなく、外出を自粛し、自宅で療養する。患者が集まる医療機関内の感染対策を徹底させるためと、重症患者が増えたときに対応できるよう病床を確保し、重症患者の救命を優先するための処置として行う。
- 基礎疾患のある人へは、早期から抗インフルエンザウイルス薬を投与。重症化するおそれがある人については、優先的にPCR検査(ウイルス感染を見極める検査)を実施し、入院治療を考慮する。
- 学校などの集団で複数の患者がみつかった場合は、必要に応じ積極的な疫学調査を実施する
- 患者と接する医療スタッフは、感染・重症化を防ぐために対策する。感染の可能性が高くなければ職務を継続でき
る。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所