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2009年08月19日
【新型インフルエンザ】 秋以降の流行にそなえて対策支援
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新型インフルエンザの死亡率は、医療体制が整備されていない途上国で高いとみられていたが、先進国でもそれほど差がないとも報告されている。日本を含む医療水準の高い国でも秋冬の大流行に備え、あらためて注意する必要がある。
1医療機関当りの平均は0.99人で、1人を超えると「流行」とされる。都道府県別では沖縄(20.36人)、奈良(1.85)、大阪(1.80)、東京(1.68)、長崎(1.50)、長野(1.44)が平均1人を超え流行期に入った。
インフルエンザは、一般的には子供と65歳以上の高齢者、肺疾患や糖尿病などの基礎疾患があり、十分な治療を受けていない人が重症化する危険が高い。これに対し今回の新型インフルエンザの場合は、国内では若い成人患者が相対的に多く、高齢者で発病または重症化した割合は低かった。一方で、海外では基礎疾患をもつ人や妊婦、肥満者らの重症化した例が報告されてい
厚生労働省は新型インフルエンザ対策の地域における対応として、「基礎疾患を有する者が感染した場合には重症化する可能性が高まるため、院内感染対策を徹底してこれらの者を守ることを周知する」としている。この場合の「基礎疾患」とは、「妊婦、幼児、高齢者、慢性呼吸器疾患・慢性心疾患・代謝性疾患(糖尿病など)・腎
気になる糖尿病患者の新型インフルエンザの感染について、米ニューヨーク市が情報を公開している。7月の時点でニューヨーク市で新型インフルエンザによって909人が入院し、うち114人(13%)は糖尿病だった。もっとも多かった疾患は喘息(268人・29%)で、以下は心疾患(105人・12%)、喘息以外の呼吸器疾患(102人・11%)、慢性の肝臓病や腎臓病(71人・8%)と続く。
日本のような国民すべてが公的医療保険に加入できる制度は米国にはなく、ニューヨーク市では入院の基準が厳しいためにインフルエンザが重症化した患者が多かった可能性がある。しかし、入院患者全体の8割が基礎疾患など何らかの危険因子をもっており、2歳以下の乳幼児や妊婦、65歳以上の高齢者の重症化例も報告されているので、該当する人は十分に注意をする必要があ
また、ウイルスは粘膜を通して感染するため、鼻や口などを触らないようにすることや頻回の手洗い、感染防止のための咳やくしゃみの際の「咳エチケット」、マスクの着用、国内で発生が認められたときに特に人が集まる場所への必要のない外出を避けることも効果的とされている。
抗インフルエンザウイルス薬(タミフル・リレンザ)の投与が、新型インフルエンザの主な治療法となる。感染したほとんどの人は比較的軽症のまま数日で回復しているが、糖尿病など基礎疾患のある人では、感染することで重症化するリスクのある人がいることが、ある程度わかってきた。
国立国際医療センター戸山病院 糖尿病・代謝症候群診療部では、糖尿病患者の新型インフルエンザの対応についてインターネットで公開している。「感染が疑われる症状がみられたら、新型インフルエンザを想定しての対応と、シックデイに関しての対応が必要となる場合がある。早めにかかりつけの主治医に相談して欲しい」と呼びかけている。
身近に新型インフルエンザに罹患した人がいる場合や、発症者と濃厚な接触があったと考えられる場合にも注意が必要だ。「自身の症状に注意を払い、変化があったと思われるときには早めに医療機関に相談し、抗ウイルス薬の投与を含めて検討する必要がある」としている。
厚生労働省は新型インフルへの地域での今後の対応(運用指針)として以下を公表し
- 感染した患者は入院措置ではなく、外出を自粛し、自宅で療養する。患者が集まる医療機関内の感染対策を徹底させるためと、重症患者が増えたときに対応できるよう病床を確保し、重症患者の救命を優先するための処置として行う。
- 基礎疾患のある人へは、早期から抗インフルエンザウイルス薬を投与。重症化するおそれがある人については、優先的にPCR検査(ウイルス感染を見極める検査)を実施し、入院治療を考慮する。
- 学校などの集団で複数の患者がみつかった場合は、必要に応じ積極的な疫学調査を実施する
- 患者と接する医療スタッフは、感染・重症化を防ぐために対策する。感染の可能性が高くなければ職務を継続でき
る。