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2008年11月07日

日本看護協会のグループ支援モデル 血糖値が改善し医療費も削減

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 日本看護協会は、「グループ支援モデル」を活用した糖尿病予防活動が、治療成績を向上し、医療費を削減するのに有用というモデル事業の成果を発表した。

 日本看護協会は、効果的な保健指導プログラムの構築と保健指導に関わる専門職の育成を目的に、2006年度よりモデル事業として保健指導プログラムの独自開発を展開している。その成果を基に、2007年度より厚生労働省から受託した生活習慣病の予防活動支援モデル事業を行い、保健指導のスキルアップをはかっている。

 グループ支援モデルでは、看護師や患者を中心としたグループをつくり、患者自らが検査値や生活習慣について振り返り、改善に取り組むことを促す。例えば食事指導では、患者が自分の食事を量を把握するやり方を教え、「何を」「どのくらい」食べているかを患者自身がつかめるようにする。医療スタッフや患者同士のきめ細やかな交流を通して、より堅実に成果を得られるようになる。

 今回の検証事例となったのは人口約7300人の長野県長和町。2001年度から3年間、糖尿病予防活動を実施した。「グループ支援モデル」を行った患者で体重、BMI(体格指数)、血糖値が有意に改善した。医療費は有意差がなかったが、介入群の方が医療費の増加が少なく、1人当たり年間約20万円の抑止効果があった。

 検証の対象が限定されていることや、地域による偏り、対象数が多くない点を今後の課題としながらも、同協会が実施しているグループ支援モデルにより「検査値の維持・改善、医療費削減の効果を得られる」としている。

 事業の生活について、11月5日に福岡で開催された第67回日本公衆衛生学会総会で発表したほか、インターネットでの公開を10月より開始した。このコンテンツ「これならできる!生活習慣病予防−効果のある生活習慣病予防のための保健指導プログラムの推進」は日本看護協会のホームページ内で公開されており、同協会の事業の詳細や、進捗のようすなどをみることができる。



このページの記事は、日本看護協会が10月30日付で発表したプレスリリースを元にしています。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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